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がやがやと賑わう食堂へ私は少し遅刻気味に欠伸を噛み殺しながら入って行った。



「first name、おせぇよい」


「あ、マルコおはよーございまーす」


「first nameちゃーん!今日の朝食はクロワッサンと新鮮取れ立てムニール貝のサラダに特製ドレ……」


「私クロワッサン好きくない」



サッチが持って来たクロワッサンを横に避けマルコの前にあったロールパンに手を伸ばした。


リーゼントを萎らせ負のオーラを背負ったサッチは調理場へと戻って行った。



「なんだあれ?」


「お前、心底ひでぇ奴だなぁ」


「まぁーそう言うなって。クロワッサンやるから」


「いらねぇーよいっ」



額に手を当て溜め息を吐き出すマルコに朝から大変だなと憐れみの視線を送っておいた。



「あぁ、そうだうな。この島に滞在するのも今日で最後だ。何か買い忘れたもんはねぇかい?」


「ん、でーじょうぶっす」


「そーかい、だったら船で大人し……」


「あ、」


「何だよい?」


「買い物行きたい、付き合って。いいよ。ありがとうございます」


「てめぇ……」



トレーを持ったまま中途半端に腰をあげた状態のマルコに眉間をピクピクさせながら見下ろされた。



「ダメ?」


「……ハァ、お前周りと馴染む気ないだろ?」


「そんなことない。ただ人見知りなだけっす」



つーん、とそっぽを向いたままレタスを頬張っていると、また隣から溜め息が聞こえてきた。



「む……じゃーいーですよーだ。一人で行けますもん」


「誰も行かねーなんて言ってないよい。ただ、俺やサッチ以外とも話たらどうだ?」



再び隣に腰を下ろしたマルコをちらっと見てロールパンの最後の一口を放り込んだ。



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