02
「first name、俺の娘になるか?」
「いえ、お嫁さんにして下さい」
「は?ちょっ、お前何言ってるんだよい!」
胸の前で祈るように手を組んで瞳をキラキラさせながら白ひげを見つめている私にマルコから、ツッコミが入った。
そして襟首を掴まれて白ひげの膝の上から引き摺り下ろされた。
「マルコ!ママンに何するの!?」
「誰がママンだよいっ!」
ガツンと一発脳天に拳骨を落とされ、また呻いた。
「グラララララッ」
「親父!笑い事じゃねーよい!」
「グラララララッ、マルコ落ち着け。おい、first name」
「あい」
「嫁にはできねーな」
「あー、やっぱり……」
あー、残念だ。非常に残念だ。わりと本気だったんだけどなー。
「とにかく、お前は今日から家族だ。楽しくやれよ」
あー、やっぱりこの人の豪快に笑う姿は最強だな。
「マルコ、first nameの世話を頼む」
「はいよ」
マルコは仕方がないと溜め息を吐き承諾すると私の襟首を引っ張り船長室を後にした。
「お前、何考えてるんだよい」
「……」
「あぁ、分かったよい」
面倒くせぇと後頭部を掻きながら溜め息をこぼした。
「取り合えずナースんとこ行って……」
「ナース!?」
「な、なんだよい!?」
急に叫んだ私に動揺しつつ返してきたマルコをしかとして私は悶々と考え始めた。
ナース=女、女で想像するのは性格の悪さ、しかも私が知ってる白ひげのナースっていったらコスプレナース服でヒョウ柄の明らか性格の悪い女たち。
嫌だ嫌だ、そもそも私はただでさえ人見知りが激しいのだ。白ひげやマルコが平気なのは漫画で性格を知ってるからだし、船医さんにおいてはお世話されている身だから論外だ。
女とか……ちょー怖っ。
何処の馬の骨かも分からないポイッと途中から入った私なんか好かれるはずないし、てか嫌われる。絶対嫌われる。
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