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ナースたちの部屋へ足早に向かう。あの子がナースの部屋に住み着いてから私は、近づくのをやめていたが、今は行くしかない。



「エリザさーん!」


「あら、first name。珍しいわね、どうしたの?」



優雅にお茶会を開催中のナースたち。突っ込みどころは満載だが、そんな余裕はない。



「怪我した!」


「ドクターのところ行きなさいよ」



飄々というマリア。それはそうなのだが、こちらにも色々事情というものがある。



「ドクターが、もう私の処置はしないって!」


「あらあら、first nameったら怪我してばかりだからよ」



そう言いながら救急箱を持って来てくれるエリザは天使だ。マリアと違って。



「あ、あの、痛そうですね」


「……」



声を掛けてきたのは愛ちゃん。ちらりと彼女を見上げ、また消毒されている腕に視線を戻す。



「そうでもないよ?」


「そ、そうなんですか」



恐る恐るというか、勇気を振り絞って声を掛けてきたのが分かる。周りのナースの視線が痛い痛い。



「うん、やってみる?」



私は腰にぶら下げてる短剣を抜いた。すると小さな悲鳴とともに後退した。「ひっ」って、可愛いな、おい。



「こら、first name。愛ちゃんを苛めちゃだめよ、おねぇさんなんだから」


「なんかエリザ、ママみたーい」



マリア、それ同感。一瞬、思い出しちゃったよ。あの世界にいた時を。



「はい、できたわよ」


「ありがとうございまーす」


「first name、分かってると思うけど、もう少し……」


「自分の体を大事にしろっ、でしょ?してますよー、エースじゃあるまいし。これでも女の子だし」



にしししっ、と笑えばエリザさんが溜め息を吐きながら笑った。



「今度は、お茶しにきなさい」


「はーい」



お礼を述べて部屋を出れば、後を追うように愛ちゃんが出てきた。



「何?」



足を止めずに聞く。



「話が、あります」


「……分かった。おいで」



青空の下、シリアスな話をしようじゃないか。



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あきゅろす。
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