08
大海原に響く白ひげの笑い声。私とマルコとエースは、笑い続ける白ひげをポカンと口を開けながら見上げていた。いったい何がそんなにツボったのだろう。
「グラララララッ、俺は嬉しい!」
「親父、何がだよい」
白ひげの右腕が分からないなら私が分かるわけがない。
「おめぇらが仲の良い兄弟でよぉ」
何を言い出すんだ、この親馬鹿は。私たち三人は顔を見比べて深く息を吐いた。
「白ひげ、私たちが仲が良いのはいつものことでしょ?」
「グラララララッ、そういやそうだなぁ!」
「それより、私まだ自分の能力を使いこなせてないみたいなんです」
私は先ほどの手合わせ中に起こったことを説明した。すると白ひげの奴、笑い飛ばしやがった。ちょっとパパ、真剣に聞いてる!?
「そいつは良かったじゃねーか」
「親父!何が良いんだよ!?first nameが危険な目に遭うんだぞっ!」
エースったらシスコンに育ってくれちゃって、まぁ。ちょっぴしニヤけたのは秘密。
「first name、お前はまだ強くなれる」
「え?」
「その黒い風を操れるようになったあかつきには、お前は見違えるほど強くなってるに違ぇねー。グラララ、今から楽しみだなぁ、おい」
な、なるほど。さすが白ひげポジティブだ。確かにあの黒い風は、いつものと違って破壊的だった気がする。
「よしっ!修行するぞー」
意気込む私に、呑気な白ひげ、マルコは溜め息を溢し先が思いやられると項垂れた。そんな兄に気を遣ったのはなんと末っ子エース。
「エース、first nameの嫁入りがまた遠退いたよい」
「だな。まぁ、俺は嬉しいけど」
「……」
「マルコもだろ?」
否定できない事実にマルコは、また項垂れるのだった。
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