04
それは、交差したような、重なったような、そんな感覚。
「first name、こいつを知ってるか?」
結局、マルコに引き摺られ女子高生の前に付き出された。
「知らない」
知ってるわけないじゃん。世界に何人、人間がいると思ってんの。
「でも、こいつはお前の世界の奴だろい?」
「……ッ」
否定できないのが悔しい。この世界に女子高生がいるわけがないのだから。
苦虫を噛んだような表情の私。バンダナで顔が半分隠れてて良かった。心を隠すには十分。
「あ、あの……、私、あの、何が、なんだか……。何で不死鳥のマルコが?コスプレ?コスプレだよね?だって……おかしいよ。だって……ッ、私、ただ学校から帰ってきt……」
「コスプレじゃない」
女子高生の言葉を遮り、冷静に言葉を発する。
「コスプレじゃないし、おかしくないし。おかしいのは……こっちにいる私達の存在」
「え」
冷静に言えば言うほど冷たい雰囲気が纏う。
「ようこそ、新たな迷い子。君はこの世界で何が欲しい?」
こんな嫌味は、まるで自分自身に言ってるみたいだ。
私の欲しいものは、まだ手に入らない。ねぇ、あなたは手に入れられる?今、この瞬間、あなたの物語は始まったんだよ。
「ま、迷い子?……何、それ……。意味分かんない」
だって、これ夢でしょう?そう瞳が私に訴える。
「マルコ」
「隊長だよい」
「おっと、失礼。マルコ隊長、取り合えず白ひげのところへ」
「そーだな。おい、立てるかい?」
差し出されたマルコの手に、その子は戸惑いながらも、そっと自らの手を重ねた。
私の第六感が働いた。簡単に言えば女の勘。
「マルコ落ちかよ」
溢れた心の声。
「ん?何か言ったか?」
「別にー」
サッチに背を向け私も二人の後に続いた。
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