09
ねぇ、そろそろダメ?と斜め上の上の上の方を見れば、まだダメらしい。
マルコが腕組みしながら私を遥か高見から見下している。
私は現在進行形で正座していた。マルコは怒っているが白ひげはグラグラ笑っている。
「グララララ、じゃじゃ馬娘には困ったもんだなぁ、マルコ」
「親父、何度も言うが笑い事じゃないよい」
「マルコ、おめぇは過保護すぎんじゃねぇか?」
「過保っ!?」
マルコが心外だと目を見開いた。
「そーだ、そーだぁ、マルコのかーほーg……」
「黙れぃ」
「すんませんした」
素直に謝っておくが、やっぱりマルコは過保護だと思う。心配してくれるのは嬉しいし、こんな私を大切に思ってくれるのはヒシヒシと感じるんだけど……。
「first nameの自由はどーなる。first nameはもう、ここに来たばかりの右も左も分からねぇ、一般人じゃねぇ」
「それは……分かってるよい」
渋々ながらも肯定したマルコ隊長。何だか申し訳ない気持ちになってしまう。だから私は真面目に謝ることにした。
「マルコ隊長、軽率な行動申し訳ありませんでした」
「なんだい、気持ち悪い」
「気持ち悪いって、酷い。真面目に謝ってるのに」
ムスッとすれば、ぽりぽり頬を掻きながらマルコが何やら唸りだした。
「あー、わかったよい!今回は許してやる。だけど本当に危ないことはするなよい!」
「海賊にそれは無理な話だ」
だって私は、もう海賊に就職してしまったし、立派に指名手配されてしまったし、何より危険の香りにワクワクするようにもなってしまったし。
「まぁ、マルコ隊長が付いてれば多少危ない橋を渡っても平気じゃないですか」
「うっ……」
「グララララ、信頼されてんじゃねぇか、マルコ」
「……ッ、目の届くとこにいろよい」
何故だか肩を落とし船内に入って行ってしまったマルコ隊長。私は首を傾げるしかなかった。
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