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01



本日、は……くもり。雨模様。モビーで叫び声が響く。



「いててててててっ!」


「馬鹿野郎!じっとしてやがれっ!」


「無理!ムリムリムリムリッ!」


「当たり前だっ!女のくせして、またこんな傷作りやがって!」


「分かったから!麻酔ぐらい打ってよ……ッ、ドクター!」


「ザクザク傷作る奴なんかに高い麻酔なんか使えるかっ!我慢しやがれっ!」



日々鍛練、かすり傷や痣なんかしょっちゅう作っているが今日は久々にザックリやってしまった。


こりゃまた白ひげとマルコに激怒されそうだ。


でも仕方ない。つい余所見をしてしまった。つい……だって、あの名前が聞こえてきたから。



「おらおら、必死だなぁ、first name」


「うっさい!」



パワーが上のレッドには、いくら風でスピードを出しても一度受けてしまえば後は防ぐ一方。


しかもスピード以外は能力使用禁止。何でも能力に頼ってばかりじゃ特訓にないないらしい。でも私の場合、能力使わなかったら激弱だからスピード可。



「ちょっと、もう、レッドしつこいっ!」


「当たり前、手ぇ抜いたら特訓になんないだろ?」


「だからって、ちょっとは私にも攻めさせろぉお!」



ナイフに力を集中し、弾き跳び退いた。



「ハァハァハァハァ……ッ」



乱れた息を整えるよう、唾を飲み込み一度体の力を抜く。



「first nameー!そろそろ交代かー?」


「まだっ!」



離れた所で眺めているイエローの呑気な声に叫ぶように答える。


そして足元に風を集中させ地を蹴った。



「おい、聞いたか?ポートガス・D・エースが……」


「え」



不意に聞こえてきたクルーの言葉に体も思考も持っていかれた。



「馬鹿!first nameっ!」


「え?……ッ!」



お互い勢いを付けていたため急停止はできない。レッドが何とか体を捻り逸らしたが、運悪くレッドのナイフが私の肩を掠めた。



「ッ……、いってぇぇぇ」


「first name!大丈夫か!?」



私の血が付着したナイフを捨て、レッドが青ざめて私に被さる。


膝を付いた私の腕にレッドが触れた。



「……ッ」


「悪い、結構いってんな。医務室行くぞ」



血が腕を滴る感覚がする。痛みで吐き気がしそうだ。



「first nameちゃん、大丈夫!?」


「うげぇ、痛そー!」



自分が怪我した訳でもないのに自分の腕を擦るイエローに苦笑し、レッドに支えながら立ち上がった。


確かに聞こえた。


ポートガス・D・エース。



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