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07



あー、実に素敵な叫び声だった。



「懐かしいなー、あの叫び声」



レッドが放心状態のななちゃんを見ながら言う。



「だねー、first nameちゃんすっかり叫ばなくなっちゃったもんね」


「こらグリーン。それは言わんでいい。ほら、ななちゃんいつまで腰抜かしてるんだよ」


「びっくりだよ。何がびっくりって、あんなダイブを平気な顔して、こなしちゃったfirst nameちゃんに、びっくりだよ」


「まぁ、三年間いろいろありましたからねー」



ほんと、色々あったんだよ。お互いね。



「あ、あっちにパラソルあんじゃん!行こーぜっ!」


「ちょっ、イエローひっぱんなー」


「わっ!first nameちゃん!?」


「水着ギャルー!待っとけぇい!」



水着ギャルなんかいるか、あほっ!



「いーなーいー!何故だっ!?」



私を見るな、知らんがな。



「ハァハァハァ……ッ。まじ、きっつい」


「ななさんは少し鍛えた方が良いようですね」


「え、」



グリーンの言葉にポカンとしたななちゃんに負けず劣らずポカンとした。



「ちょと待てグリーン。私は、ちゃんでななちゃんは、さん?」


「だって赤髪の恋人だし?」


「だし?て、なんだそら」



てか、確かに体力ないわなーこの子。



「ちょっと甘やかされすぎたんじゃね?」



こら、レッド本当のことを言うでない。



「むぅ」


「ほっぺ膨らましても可愛くないから、ななちゃん」


「ひどっ、first nameちゃんひどっ」


「はいはい。あー、あっつー。サッチ隊長、何か冷たい飲み物持ってこないかなー」


「お待たせしました、お嬢さん方!サッチ特製トロピカ……」


「さっすがサッチ隊長、さんきゅー。ほい、ななちゃん」


「ど、ども」



いやー、サッチって本当にタイミングの良い奴だ。


それにしても、海が青いなー。確かに一泳ぎしたくなる陽気だな。


分厚いブーツの紐をほどく。今日はショーパンで良かった。



「おい、first name。どこ行くんだよ」


「んー」



レッドの言葉に生返事しながら砂を踏みしめる。


おー、さらさらじゃん。気持ち良いなぁ。


ふらふらと誘われるように波打ち際に足が進む。


一瞬、自分が悪魔の実の能力者だということを忘れた。



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あきゅろす。
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