04
世界を捨てることは罪。必ず罰か下る。そんなことを、いつかの私は考えていた気がする。
「おーい、ななちゃん起きて」
「ん……」
あー、この子も私と同じで寝起きが悪いのか。
幸せそうな寝顔。
「愛、か……」
一瞬、浮かんだ顔。馬鹿馬鹿しくてすぐ掻き消した。
私のあの世界での過去も、ななちゃんの過去も全く異なる。でも、あの世界を捨てたのは一緒。
私の罰が人の死を背負うことならば、ななちゃんの罰は何なんだろう。
「んー、シャンクスー」
なんだこいつら一緒に寝てんのかよ。いらっときた私は遠慮なく叩き起こした。
「はよーっす」
「お、おはようございます」
食堂に行けば、オドオドと頭を下げた、ななちゃん。
昨夜の宴、赤髪海賊団は皆モビーの上で酔い潰れた。一応、敵同士なのにそれで良いのかと内心つっこんだ。
わざわざ、ななちゃんをシャンクスの船に帰すこともないかと、私の部屋に誘い今に至る。
「おー、first name。あんま、でかい声だすなや」
「何?赤黄緑は、また二日酔いかい」
「うるせーよ」
ぐだっと机に突っ伏した赤と黄と緑の頭の向かいの席に座る。戸惑っているななちゃんも、もちろん隣に座らせる。
「first nameちゃんは平気そ……」
顔を挙げたグリーンが固まった。視線は、ななちゃんに釘付け。
「ちょ、ちょちょちょ、レッド!イエロー!起きてっ!」
慌てたように二人を起こすグリーン。ななちゃんが顔を俯かせたまま肩を震わせている。
「クッ、ちなみに緑髪の名前はグリーンだよ」
「ぷっ!」
吹いた。どうやらツボが同じらしい。
「な!?赤髪の女!」
こら、イエロー。人を指差すでない。
「やったね、ななちゃん。一度は夢見る女呼ばわり」
「嬉しくない」
あら、そう。
「おい、どうゆうことだ?」
眉間に皺を寄せながら煙草をふかすレッド。この顔は心配している顔だ。
「昨日のことといい、聞きたいことが山ほどあるんだが?」
「……あい」
ちょっと怒っている気がする。きっと勝手にシャンクスに斬りかかったからだ。
まぁ、その前に自己紹介でもしようか。
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