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賢者の石
06



久しぶりに入った校長室。


組み分け帽子に目が行った。



「なぜ私をグリフィンドールに?」



ダンブルドアが目の前に居るというのに私の口は勝手に動いていた。



「どこでも良いと言っただろう?」


「スリザリンだと思ったのに…」


「スリザリンが良かったのかね?」


「そんなこと言ってない」


「ほー、そう聞こえたが?」


「うざい、このボロ帽子め。ダンブルドア先生お待たせしました」



私は帽子から目を離しダンブルドアに向き直った。



「First name、セブルスにも戻るように言われたじゃろ?」


「……はい」



この人はいったいどこから私を見ていたのだろう。



「女子トイレに行かなかったことは良い判断じゃったが……」



仲間を見捨てるのは良くないと?



「何か儂に言いたいことはないかね?」


「……」



あると言えばあるけど、ないと言えばない。



「あ、減点ですか?」


「そうじゃな…」


「やめて下さい」



ダンブルドアの言葉を遮った。



「私グリフィンドールがどうなったって良いんです。だから減点されてもかまわないんですけど…」



けど…。



「私を生徒にしないで下さい。ホグワーツに入学させて頂いたのは感謝しています。でも私は実年齢は17歳だし、ましてや魔法族でさえない。確かにマグルの中から魔法使いになる者はいますが、私は違うんです。私と彼らを一緒にしないで下さい」



少し長い言葉をダンブルドアは黙って聞いていてくれた。



「First name、言いたいことはそれだけじゃな?」


「…はい」


「よろしい談話室に行くのじゃ」


「はい、失礼しました」



軽く頭を下げ、談話室ではなく違う場所へ向かって校長室を後にした。



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