賢者の石
04
悩んでいる。
私は今、悩んでいる。
どーするべきか分からない。
ネビルの一件で私が介入しても物語は決まった通りに進むことが分かってしまった。
つまり、私が介入してもしなくても、どちらも変わらないということだ。
そんな今、私はこれから起こる事件に首を突っ込むべきか、傍観者に徹するべきかどうか本気で悩んでいた。
さきほど大広間に向かう前に女子トイレに居るという情報をパーバティ・パチルから仕入れ向かってみたのだが、案の定追い返されてしまった。
ひっどいよなー。
結局はハリー達と仲良くなることを知ってるのに、ちょっと心配して、わざわざ様子を見に行ってあげたのに。
それにしても…このかぼちゃパイうまっ。
ハロウィーン私なめてたわ。
飾りも芸術的で最高だし、すてきだなー。
あの大きいかぼちゃすごいなー。
ハグリットがくり抜いたのかな?
来年、手伝おーっと…。
呑気にレイと素敵な料理を堪能していると大広間の扉が勢い良く開きクィレル先生が雪崩れ込んできた。
始まった。
滑稽な茶番が…。
「トロールが……地下室に……お知らせしなくてはと思って」
クィレルは力尽きて、その場で倒れた。
闇の魔術に対する防衛術の先生なら、しっかり倒せよ、と思いつつクィレルが凄く不憫に思った。
あのターバンの中にヴォルデモートがいるのか…。
なぜだか胸がギュッと切なくなった。
果たしてこちら側が本当に善なのだろうか。
「イテッ」
頭をさすりながら誰の仕業かと見ればレイだった。
「レイー何ー?」
レイは私の頭上を旋回した。
あぁ……早く逃げろってことね。
いつの間にか生徒達がギャーギャー騒ぎながら大広間から出て行っていた。
私もその波に一歩後れながらも乗った。
「いったいどうやってトロールは入ってきたんだろう」
聞きなれた声に振り返るとハリーとロンが私の後ろにいた。
あっれー、これは二人に付いて行きなさいというお告げですかい?
そうこうしているうちに、少年二人はどうやらハーマイオニーのことに気付いたようだ。
私は二人の離れて行く背中を見て、私も流れから抜け出した。
そして、一つ計算外なことが起きた。
「そこで何をしている」
「セブ?」
あー、そうだったかも。
ハリーとロンはどっかその辺で隠れてるんだっけ?
てか、そんな細かいとこまで覚えてないっつーの。
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