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賢者の石
09



「レイー」


「何だ?」



ベッドの中でもぞもぞと動き向かい合う。



「レイって動物もどきなの?」



視線を上げて聞いてみた。



「寝ろ」


「む、話逸らさないで」


「うるさい」



目を閉じたまま相手にしてくれない彼を睨みつける。



「レイー」


「……」


「レイってばー」


「……」


「むぅ、レイなんか知らない」



拗ねた私はレイから離れて端っこに寄った。



「寝れないのか?」


「うきゃ!」



腕を引っ張られレイの胸板に顔面衝突した。



「うー」


「どうした」


「これから、どうなるのかなーって」


「なるようにしかならないだろ」



レイって意外と楽観主義だ。



「とにかく、あまり怪我とかするな」


「あれ、心配してくれたの?」



にやりと笑うとレイがあまりにも真面目な顔だったから戸惑いながら視線を逸らした。


腰に手を回され、さらに引き寄せられる。



「れ、レイ?」



私の首筋に顔を埋めたレイに心臓が暴れ出す。



「First nameがいないと……」


「ちょ、ちょっと!そこで喋らないで……ッ」


「ちょうど良い抱き枕がなくて寝ずらい」


「こらっ」



月明かりに照らされながら心地いい温もりに包まれ私は眠りに落ちた。


さてはて、レイは動物もどきなのだろうか。



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あきゅろす。
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