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奴隷王の伝説
小さな抵抗


荒い呼吸が収まった頃、そっと耳打ちする者がいた。




「このままずっとここにいるがいい」





むき出しの肩が、そのささやき声に小さく反応した。

ある種の目的をもって、肌をなぞるその手に身を委ねる事も、あらがう事もなく、ただ泥のように眠りながらそのまなじりから何かが流れるのを感じた。


「お前は私のモノだ」

呪詛のような恐ろしい声に、やさしい声が重なった気がした。


音もなく気配が部屋から出たのを確認すると、ゆっくりと起き上がる。




「俺は」


「俺たちは、モノじゃない」



小さく、小さくつぶやいた。




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