SS 真夏の昼下がり 『な、プールいかね?』 「やだ」 『いいじゃん。ウチからチャリ出すし』 「暑い」 『だから、行くンじゃん』 俗にいう、お盆休み。 十代目は、家族旅行とかで、ご自宅にはいらっしゃらない。自宅が店のコイツは、必然とウチに入り浸りになるのは目に見えてた。店は暇だし、部活は無いし。やることもないから、人のウチってのも失礼な話。 しかも、我物顔で部屋に居る。 『かき氷奢るし』 「それだけか?」 『飲み物何が良い?』 「好きなの頼むからな」 『…お手柔らかに』 毎日、最高気温が更新されていく。 ただでさえ暑苦しいのに、外に出たがるヤツに、 毎日振り回され気味なオレ。 「あ、夜、花火も追加」 『花火は割り勘な(笑)』 「しゃーねーな(笑)」 夏休みも後少し。 仕方ないから、一緒にいてやるよ。 [前へ][次へ] [戻る] |