SS
侵入区域
メールの着信で起こされる朝。それも普通になった今日このごろ。
つーか、オレ。
アイツに気許し過ぎ。
苦笑しながら見渡すと、ヤツが置いていったものが、目につく。
ヤツの服は、今やオレのクローゼットの引き出しを1つ占領。
寝室を出て、リビングへ行けば、ヤツが家から持って来た座布団、野球雑誌、ゲーム、簡単なトレーニング器具。
喉が渇いてたから、冷蔵庫開ければ、ヤツが置いてる牛乳。
侵入されすぎ、オレ。
…いくらなんでも…。
軽くへこんでると、玄関でガチャガチャ派手に音がする。
『おー、起きてたのなー』
…毎度毎度、普通に人の家に上がり込むコイツ。
『なー。おはようのちゅーは?』
…果てろっ
どんどん、コイツの侵入区域が増えていく。
家でだけでは足らず、
オレの中も…
ヤバイな、オレ
…マフィア向いてねぇのか?
『なー、なー』
…あー、うっせぇ。とりあえず、コイツ黙らせてから考えよ。
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