SS
雨の日曜日
目が覚めたときには、かなり雨が煩かった。
テレビをつければ、今日の天気の具合ばかりを話してる。
オレは、とりあえず枕元の携帯を手に取る。
だからといって、何をすることもなく。
テレビを見たい気分…
でもなく。
雑誌を読みたい気分…
でもなく。
ヤニを吸いたい気分…
でもなく。
そう思ってると、玄関からガチャガチャと音がする。
『おはよーさん』
にこにこしながら、呼んでもいないヤツは、リビングへ入ってくる。
『すごい雨だなー』
そういや、髪も結構濡れてるし、服も…
「早く着替えれば、いいじゃん」
『…心配してくれてんのな』
「ちげーよ。風邪でも、ひいたら気分悪いだろうが」
肩も冷えるし…
『サンキューな』
オレの、ベッド横のクローゼットから自分の服を取りだし、着替え始める。
ぼんやりその光景を見ていると、ヤツと目があう。
『今日は、2人でぼんやりしてような』
いつも、オレの云いたいことは、先回りされる。
今まで持ってた携帯を放り投げて、立ち上がる。
今日もヒマになる時間は、
なさそうだ。
今日呼び出そうとしてたことは…、
オレだけの秘密。
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