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Long
愛する罪には愛されない罰T sideY
ずっと続くと思ってた。

永遠なんて言葉は何処にもなく。

ただ、彼を失った現実だけが横たわる。





ある日突然、別れは訪れた。

いつもの様に、朝帰りした俺に、いつもの様に待っていてくれたお前。

ただひとつ違っていたのは、お前が何一つ俺を責めないこと。

『…ただいま』
「…おう」

あからさまに様子がおかしい。
『…どうした?』
「なにがだよ」
『え、あ…いや。なんで、おこんねーのかなって…』
ソファーに座るアイツは、俺を見向きもしない。

怒ってる?
…違うな。
泣いてる?
…これも違う。

ただ、いつもと変わりがない。それが不自然。

「山本」
『ん?』
「話があるから、座れよ」
そう言って初めて、俺を見たアイツは。
静かに微笑んでいて。
…初めて、アイツを好きだと自覚した昔を、思い出させた。
ただならぬ様子を感じ、黙って斜め向かいに腰を下ろせば、アイツはタバコを取りだし火を着けた。

「…聞いてんの?お前」
『へ?』
一連の動作に見とれていた俺は、話の始めを聞きそびれていた。
『わり』
謝る俺に、アイツは何も怒ろうとしなかった。
嫌な予感がした瞬間のことだった。
「俺ら、別れよ」
そう言ったヤツの笑顔は、とてつもなく綺麗だった。

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あきゅろす。
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