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Long
愛する罪には愛されない罰Y sideY
仕事は順調に進んでいた。これといった問題も起きず、そうは言っても気を抜くわけにもいかず。

大方は、建設中の支部の隣である、雲雀の研究施設に詰めていた。
パソコンで設計図を見ながら、慎重状況を割り出す。ほとんどジャンニーニに任せてはいるが、責任者としては、把握する必要がある。

『俺さ、こういうの苦手なのな』
「知ってるよ」
…即答かよ。
「そういえば。面白い情報教えてあげようか?」
『ん?』
「君の並盛の責任職。押し付けたの、獄寺隼人だよ」
え?アイツが?

「ホントはあの子が就くはずだった。でもあの子は君を推した訳」
『…確かにアイツの方が向いてるし。でもな、アイツあっちは空けられないだろ』

雲雀は、自分のパソコンを打つ手も止めず、言葉を続ける。
「もう一つ、面白い情報。君が幹部候補に上がるとき、最後まで反対したんだよ、あの子」
『…どういう意味?』
俺、認められてなかったってことか?
「最後まで、君がイタリア行き決めるまで、赤ん坊と君が勝ったあの人と喧嘩してた。野球、止めてほしくなかったなんて、馬鹿みたいに分かりやすい嘘着いてたよ」

…。なんとなく、アイツが反対してたのは知ってた。ただ、そこまで反対してたのは、初めて聞いた。

「…自分の気持ち殺してまで、よくそんなこと出来るもんだよ。ホントに馬鹿な子」
雲雀は小さく呟くと、盛大にため息をつく。自分の仕事は終わったのか、ディスプレーを閉じると立ち上がる。

『…雲雀』
「あの子、アマノジャクだから本心言わないし。自分の気持ち置いてきぼりになるし。ホントに面倒な子だよね」
『…ああ』
雲雀は他人に興味が無いようで、興味が有る物は良く見ている。俺が知らなかった、こんなことを知ってるのが証拠。
「ま、今回の事にしても、あの子の本心の所在はわからないけど…」
『けど?』
…今回のこと?
「…近々、本部召集かかると思うからね。準備しといたら?」
ヒバードが、何処からきたのか、雲雀の肩に乗る。立ち上がり、そのまま部屋を出ていこうとする雲雀を目で追って、言葉の意味を探る。

『…どういうことだ?』
「言葉通り。ほら」
タイミング良く、携帯が着信を知らせていた。

『ツナ?』
「ごめん。今いい?」
語気で、切羽詰まった状態が分かる。
『…どうした?』
「…ごめん。雲雀さんと本部戻ってもらえる?」
『緊急召集?』
雲雀からの話の流れから、推測すると…。
「…冷静に聞いて。…獄寺君の消息が掴めなくなったんだ」


話が繋がった…。


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