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今夜は無礼講







朝目が覚めると見知らぬ部屋で寝ていた。






「…………」






覚醒しきらない頭をフル回転させて何が起きたのか考える






「……あ、………そうだ…」






私は折原さんの家に住む事になったんだ……


そのことを思い出し、少し…いや、相当朝から気分が悪くなった。もう1度寝ようとベッドに潜り込んだがドアを叩く音で意識はもう一度引っ張り出された






「名前ちゃーん、学校の時間だよー起きなー」

「………(イラッ)」

「てゆーか、君いつドアに鍵付けたの?困るんだよねぇー勝手に付けられちゃ」

「………」

「ねえー朝ごはん冷めちゃうよー起きなよー」






朝からうざったいったらない。絶対朝ごはんとか作るタイプでは無いくせに…あぁ本当に面倒くさい奴だなぁとイライラしながら支度をして部屋から出ると満面笑顔の折原さんがいた。






「やぁ、おはよう」

「…………おはようございます」






そう嫌々に返すとさらに楽しそうに笑った。













放課後に私は足の経過をみてもらうため新羅さんのお家にいた。






「聞いたよ、臨也の家で一緒に暮らしてるんだって?」

「不本意です。本当は嫌なんです。ていうかなんで知ってるんですか」

「セルティに聞いたよ」

「………………」

「なんで?」

「…折原さんみたいな人は嫌い…」






そういうと新羅さんは「まぁ、臨也を好きって人はなかなかいないよね」と笑った。診察台の足から視線を私に移す。

新羅さんの話ではあと4、5日もすればギプスは外せるそうだ。






「小さい頃からだけど、やっぱり君は治るのが早いね…静雄より劣るけど。まさに奇想天外」

「体は丈夫です」

「まぁ、仕事に復帰しても無理はしないことだよ。セルティが悲しむからね」

「あくまでセルティなんですね」

「当たり前じゃないか。まぁ名前ちゃんも心配だけどね、知り合ってからもだいぶたつし」

「新羅さんとはセルティの半分です」

「まぁね。確かにそうだ」


「…………………(もう)」





もう、セルティに知り合ってからそんなに経つのか…


新羅の言葉で懐かしい記憶が蘇る。


確か私が7歳か8歳くらいだった頃に初めてセルティに会った。ようやく裏の仕事に慣れてきた頃で仕事の関係で会ったのが最初だった


今でも覚えている。
あの温かい掌の感覚と、眩しい漆黒。



人間が嫌いになる前な私とその後の私を知っている唯一の存在



とても、とても大切な人





「名前ちゃん?」

「!」

「大丈夫?珍しくぼーっとして」

「……ちょっと…昔を思い返してました。」

「そっか。」





そのとき外から馬のいななきの様な音がする。





「セルティが帰ってきた!!!」

「……(セルティになると豹変するよな、この人)」





玄関が開く音がしてセルティが部屋に入ってきた





「セルティお帰えぐほおっ!!!!!」

『名前!来ていたのか!』

「セル…ティ…いた、いよ…なにも、殴ること…ないじゃ…ない…か」

「お帰りセルティ、新羅さんに足の様子を診てもらってた」

『…まだ良くならないのか?』

「あと4、5日くらいでギプスは取れるって」

『そうか!よかった…』

「心配かけてごめん」





首をふるふると振ると思い出した様にPHSに打ち込んで私に見せた





『…静雄も心配していたから会ったら何か言ってあげて欲しい』

「…静雄?平和島?」

『そうだ。怪我をさせて仕事を休ませてしまったとか、かなり心配していた。』




名前は静雄に仕事の話をしたのか?と聞かれたけど内容は話してないと話すと安心したようだった。
流石にこんな仕事の内容は明かせない。

今度会ったら何か言っておくとセルティに約束して、セルティとの約束なら破れないなと頭の隅で思う。


それから他愛もない話をしてセルティと新羅さんの家をでた。








そこで事は起こった。









「よぉ、ねぇちゃん」

「……私?」

「てめぇの他に誰がいんだよ」

「……」









周りを見渡せばチンピラが大勢名前を取り囲む様に立っていた。










「何のマネ?」

「この間、仲間をぼこぼこにしてくれたじゃねぇか」

「てめぇ、よくもあそこまでやってくれたなぁ」

「……あぁ、」






私は思いがけないパーティーにだんだん楽しくなってきた。







「てめぇ、何が面白いんだよ!!」

「かなり手加減したはずなのにそんなに重傷なの?脆いったらないし、全く手応えが無くて詰まらかったんだけど…まぁ、まぁ…よくこんなに人を集めたもんねー…たかが女一人に」

「てめっ…!!!」

「女一人ヤるのにこんなに引き連れて来なくちゃいけないくらい腰抜けの集まりなのね」

「黙れ!!!」

「反抗?馬鹿じゃないの?数はどれだけいたって同じよ。どうせ私にめためたにされて終わり」

「このやろぉおおっ!!!」






振りかぶって殴りかかる男の下に潜り込んで容赦無く鳩尾に渾身の力で拳を捩込むと男は後ろへ吹っ飛んだ





「……」

「なによ、ビビったの?」

「てめぇぇえぇえ!!」

「……………そうこなくちゃ」







大勢の男達が私目掛けて襲いかかった













今夜は無礼講

(さあ)
(パーティーを楽しみましょう)





110115


あきゅろす。
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