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■SS
■トワイライト・アヴェニュー
昼過ぎから本格的に降っていた雨が上がったのに気付いたのは
午後4時を回ったところだった。

雨音がしなくなった、と気付いたわけではなく(意外と仕事に集中していたようだ)窓から入る光が明るい…というよりも、異様なほど色を纏っていたからだ。

タマキは書類から顔を上げると、大きく伸びをした。

キヨタカであれば、合間の一服といって煙草をくわえるところだろうが、生憎タマキは喫煙はしない。

ミーティングルームの窓は小さい。
地下にあるので、ほとんど窓の役割は果たしていない。
その窓が全面ピンク色になっていた。

タマキは誘われるようにドアを開けると、バンプアップの上へと上がっていった。

屋上への扉を開けると、雨上がりの雲が夕暮れの太陽に照らされ、薔薇色に輝いていた。

夕暮れと言えばオレンジ色の柔らかい光を思い出すが、雨上がりの今日の夕暮れ色は見事なまでに薔薇色だった。

ちょっとした感動を覚えて歩みを進めると、柵のところに先客がいた。

タマキの足音に気付いて振り返る。
定番のつなぎに金色の髪…カゲミツだ。

「よぅ、」
「凄い色だね」
「だよな〜。俺もさっき気付いてさ」
カゲミツと同じように柵にもたれかかる。

仕事に忙殺される日々だが、たまにはこうして空を見上げるのも悪くはない。

太陽は傾き、見事だった空の色は刻々と色を変える。
濃いピンクだったのが、淡い色に…そして青が混じりだす。

「戻るか、」

すっかり色の落ちた空を見つつ、カゲミツが呟いた。
タマキは肩を並べて歩き出す。

明日はきっと晴れるだろう。


*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。

雨が降った後の夕暮れってすごい綺麗ですよね。
ちょっと怖いくらいにピンク色の雲だったりするのが印象的です。
そんな夕暮れの中、片思いの切ないカゲミツを書こうかな…と思ったのですが、不憫と書いてカゲミツと読むくらい不憫可愛いカゲミツをこれ以上切なくさせたくない!とフツ〜の話になりました。(バカです)
両思いとかでなく、仲のいい二人、な感じで。
ところでニューティングルームって窓ありましたっけ?(うろ覚え)
「トワイライト・アヴェニュー」はスターダスト・レビューの曲です。
友達だった男の子を好きになってしまった女の子の片思いの曲です。
「あなたにときめく心のまま、人知れず寄り添いたい。夕闇のブルーにまぎれて今、彷徨うトワイライト・アヴェニュー」

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あきゅろす。
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