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■SS
■貴方に花を 私に唄を
お前に名前を呼ばれるだけで、何でこんなに嬉しいんだろう。

自分の名前が特別なものだなんて思っていない。
思い入れもない。

年齢と一緒で、名前なんて単なる記号だと思っていた。

「カゲミツって名前、かっこいいよな」

そうか?と、さして興味もなくそう答えた。
お前に褒められるのは嬉しいけれど、そんなこと考えたこともなかったから。

「俺の名前って女みたいじゃん」

…そんなことも考えたことなかったけど。
柔らかい雰囲気が女名前と言えなくは…ないか?

「柔らかい?」

ああ、名は体を現すって言うけど、俺はお前にピッタリの名前だと思う。
こんな仕事してるとさ、神経もささくれ立つ時も多いし、ピリピリしてる奴もたくさんいるじゃん。
でもお前の雰囲気はいつも柔らかい。
気遣いとか、…人当たりとか、すげー和むよ。

まあ、だから時々気を使いすぎてるんじゃないかって心配になるし、俺も力になりたいな〜って思うんだけど…、

最後はモゴモゴと口ごもってしまったけど。

「カゲミツにそう言われると、何だか自分の名前が特別なものになった気がする」

そう言って俺に向けた笑顔がまぶしくて。

そうして目を伏せた表情に見惚れた時、

「でも、やっぱりカゲミツって名前、俺は好き」

呟いた一言を、俺はこの時間、この空気、この空間の色、全て一緒に記憶しておきたいって思ったんだ。




・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。
タイトルは初音ミクの曲からです。
「名前なんていらないよ 君が呼んでくれないなら 」という歌詞が好きで、名前の話を考えました。(ありきたりですが><)
この曲には「いつか崩れてしまうなら 今壊してしまって自分のものにしてしまいたいよ いつか壊れてしまうなら今捨ててしまって 自分から捨てたんだって」という歌詞もあって、ここはカゲタマでもありカナタマでもあるなあ…と思いました。
いい曲なので機会があれば聴いてみてください♪

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