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村探し編1
ひぐらし


「みぃ〜〜〜☆魅ぃがお人形さんになってしまったのです。かわいそかわいそなのですよ」

「あら、魅音さんには小さいのがお似合いでしてよー!」
「でも目が点なのです。さっきからちっとも笑ってくれないのですよ」
「そういえばそうですわね、拗ねてるのかしら、ほーら魅音さん、謝るまでこのままですわー」
「罰ゲームはかくも恐ろしきなのです」

境内の陽光の下、ウキウキとはしゃぐわたくしと梨花と……魅音さん!
わたくしの右手には、お人形みたいにちっちゃくなった魅音さんの左手が握ってあって、魅音さんの右手は梨花が握ってる。魅音さんは人形になったせいで足がつかずに宙ぶらりんの状態で浮いていて、口がむにゃむにゃしてる。きっとむくれているのだろう、それがなんだか面白くて、わたくしと梨花は二人して吹き出してしまう、こんなに楽しいのは久しぶりですわー。わたくしは梨花と二人で、魅音さんをぶんぶん振りながら昨日のことに思いを馳せる。これとゆうのも、罰ゲームで魅音さんが……
……と、その時、何者かがバシッと梨花とわたくしの手から、魅音さん人形をはたき落とす。べちゃっと地に落ちる魅音さん、かわいそうに砂利にまみれだ。「みぃー!!!魅ぃは動けないのですよ」「きっと痛いに決まってますわっなんてざんこくな」
わたくしと梨花が悲鳴をあげ、あわてて砂利まみれの魅音さんを助けようとすると、魅音さんを、はたき落とした謎の人物が不機嫌そうな声をあげる。
さっきから後ろからついてきてた、怪しい人物だ
「ったく、おじさんの人形をどっちが作ったのかは知んないけどさ、どうしてそれがわたしになるかなー、どうみても人形でしょうが」

「人形じゃございませんわ。魅音さんですもの。ところで……、あなたはどなたですの?」「どなたって…」
謎の人物もとい、……『本物の魅音さん』はちょっと考えたあとニヤリとする「ほほーぅ、あんたたちなにか企んでるわけ?おじさんに今、喧嘩売る意味あんまないと思うけどなー」「みー?」「梨花、そろそろ言ってもいいのではありませんこと?」「言いましょうです」
わたくしと梨花は座ったまま顔を見合せ、ニマリと笑い、魅音さん人形(ぬいぐるみ)を高らかに掲げる。魅音さん人形は今はくったりとしていて、口がへみょへみょ、目が点だった。魅音さんはそれを見ながら、境内の砂利に興味津々な様子でしゃがみこむ。

「で、なになにっ?」「これは予行練習ですのよ、明日はこの人形が魅音さん…そういうことでよろしいかしら?」
「明日はこれが私?んんんんー」
……魅音さんが考えるようにそう言うと、梨花がこくこくうなずく「みーそうなのです、皆、明日は魅ぃが人形になった!ってワーワーきゃーきゃーで、きっと楽しいのです」
「なるほどなるほどぉ、嘘っぱちをでっちあげて、皆を驚かせようって魂胆ね」
「そうですのよ、だから明日1日、魅音さんには学校を休んで身を隠して貰いたいんですの。明後日の明け方に、魅音さんは人間に戻ったことにしますわ」

魅音さんは、怪訝な顔をする。
「まぁそりゃいいけど、でも普通気づくよね?……人間が人形になるわけないし、圭ちゃんやレナも一筋縄じゃないかない、ましてや詩音でしょ、無理無理無理!!私の休み損だよ」成功が難しいことがわかるからか、複雑な表情。梨花はニコニコとそれをほぐす
「魅ぃは忘れたのですか?この雛見沢には魔法の言葉があることを」
「魔法の言葉たって、人間が人形〜?うーん、信じられない。催眠術とか……」
「魅音さんともあろうお方が察しが悪いですわね、フワラズの勾玉を忘れてませんこと?」
「覚えてるけど……ってあんたらまさか!?」「ええ!」「みー!」わたくしと梨花は二人で声を合わせる!
『どんな不思議な現象も、オヤシロ様のせいにすれば、万事解決!』ですわ」なのですよ」
「そういやそっか、一個も二個も変わんないってか、くっくっく、よっしゃ乗った!代わりに終わったら、私にも顛末を教えること、いいね?絶対見つかんないとこ隠れるから、会うのは明後日」
『はーい!』





わたくしの説明が終わると圭一さんが魅音さん人形を握って揺らし!絶叫する!「うおおぉおおっ魅音んんんんーっ!こんなちいさくなっちまったってのか」レナさんは逆にヨダレを垂らして、人形を圭一さんからうばいさる!!「はうっはうっはうぅ、おも、おもおもももも」ぎゅうぎゅうと人形は潰されて、ブチブチと断末魔の…あら?千切れそう?えっ?千切れたら「ちょちょちょっとレナさん」「だあああっ、バカやめろ、お持ち帰りしたら千切れるだろ!!」圭一さんがすんでのところでレナさんの手をはたき、「ふぇ?!」落ちた人形をレナさんより早く床からとるっ!!「すまんレナ!!」レナさんがくだけた顔で圭一さんを見る「おももおもももお持ち帰りいぃぃ!!」「だああぁあああぁーっ!!」

逃げ出す圭一さん!!「その人形はねレナのレナのなんだよ!はうぅ!お持ち帰りいぃい」「だから千切れるんだよ!」「大丈夫!大切にするからああぁ」ダダダダダっドタタタタタタっガチャガチャガチャーンっ!!!吹き飛ぶ机、ぶっ飛ぶ椅子!!そして、近づく圭一さんの姿!というか、ここも危ないですわあぁあ!わたくしと梨花がロッカーに待避する間も、おいかけっこは続く!「おももももおもももも、魅ぃちゃんのお人形!!かあいいかあいい」「レナ!これは魅音だ!魅音!人形じゃねぇ!」「お人形の魅ぃちゃんかあいいよー!」「話をきけえぇえ!」
圭一さんはひぃこらひぃこら逃げ惑い、途中であることに気づいて立ち止まる、レナさんの距離はぐんぐん縮まって、このままじゃ捕まってしまいますわ……?そして圭一さんは、腕を高らかに上げる!人形ごと!レナさんに見せつけるように!!そこで気づく!!
そうか!これは策略、圭一さんのほうがレナさんより背も腕も高いから、レナさんの手の届かない高みになる!ある意味絶対の安全地帯!でも圭一さん!レナさんは跳びますわよー!
案の定、レナさんはあり得ない速度で走り込むと目を光らせ、掲げられた人形に向かい跳躍する!「はうぅっ」「させるかあぁあっ」圭一さんも力強く跳躍し、わたくしは固唾をのんで結果を見守るっ!!!圭一さんが上方に逃げるも、ぐんぐん近づくレナさん、ジャンプ力はレナさんがやや上か、でもそこで失速し、レナさんの手は空を切り床に着地!レナさんは人形に触れなかったのが不思議なのか、訝しげな声をだす「はうぅ?圭一くん何をしたのかな?かな?お人形が急に離れたー」
うぅにこやかだと怖いですわぁ、圭一さんの勝ち誇った声「俺が跳んだからな」「ああ、そっかぁ跳んだから、魅ぃちゃんが離れたんだね」納得したようにレナさん「へへっ、そういうことだ、諦めろレナ、俺が跳ぶかぎり、お前の手に魅音は届かない」にこやかにレナさんが答える
「それならもう圭一くんは跳ばないよね?ね?レナがおもももち帰りぃするからあ、おももももかえりなんだよ?だよ」
違和感……、セリフも…変ですけど、なんとゆうかレナさんの様子が……、あら…?今一瞬レナさんの顔が回って…?変化に気づいたのは圭一さんが先だった。
「え?おおおお前!なんてかおしてるんだよ。いやというかなんか首の動きが変じゃないか?」「かおぉ?レナはレナだよ?おもおももおもも」
言った瞬間ぐるりと首が回転する!ぐるぐるぐるんぐるん!ひゃあああ!いいい今180度回りませんでした?くくく首が…あ、やっぱり回ってる!百八十度いいい以上…ぐるんぐるんと首を回し、えへへとヨダレをしたたらせながら、圭一さんににじり寄る。ぐるんぐるん「レナ…くく首が…変な回転」「あはは、何言ってるかわかんないやだって魅ぃちゃんはおもおももももちかえりするだもん、跳ばないよね?圭一くん、跳ばないよね」
圭一さんは恐怖に足を震わせながらも余裕の表情を崩さない!「く…は、…ははっ、残念だったな、おおお俺が跳ぶ限り、お前の手に人形は届かない。なぁ、だから寄ってくるなよ、ふつう首回んないはずだろ?そっちには」「んー?おももおも」レナさんは気にせずもう一歩踏み込み、笑顔のまま首をかしげ圭一さんを見上げる「おも…?」「な、なんだよ…」そしていきなり跳躍っ!!!「ひゃっはあああぁっ!!」口からは獣に似た奇矯な叫び「今度こそ、持ち帰ってあげるよおぉおお」「うっ!!おおおぉおぉぉっ」圭一さんも蒼白な顔で、更に高く高く跳ぶっレナさんより高…え?!高くない「なっ!?」ひえっ、あり得ませんわぁ!!圭一さんが驚くのも無理はないっ!レナさんはあろうことか空中で平泳ぎをし始めたのだ!それも斜め上に!まさに神速!超常!現実にはあり得ない早さで斜め上に宙を掻き!人形の方へ更に高度を、「おもおももおももももも」「ぎゃああぁああぁあ!」









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あきゅろす。
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