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【この気持ち、】(シナルクVer)
 この気持ち、どれくらい伝わるだろう。いつもいつもシーナは言いたい放題で、僕が口を挟む空きすら与えてくれない。シーナの気持ちばかり僕に押し付け、そのくせ僕がシーナを好きという事を知らないらしく、気持ちを言葉で表せと言う。自分勝手な男だと腹をたてながら、精一杯の言葉で伝えた。

「はいはい、…好きだよ…好き。これで満足した?」

「あー愛が無い!ルック冷たい〜っ」

 口が器用過ぎる君に、僕の言葉では伝わらない。口が器用でない僕は、君にキスを求める事で僕の気持ちを君に伝える。

「本当、ルックってばキスが好きだなぁ」

「違う」

 シーナの言葉にキスする気分が消えてなくなり、その場でくるりと背を向ける。背を向けたとたん背中から捕まり、シーナが耳元で囁いてきた。

「好きだよ」

「キスを?」

 シーナがクスクス笑てうなずいた。

「ルックとするキスが」

 返事をする前に口を塞がれ、また伝えられなかった言葉が増える。

“僕が好きなのも、シーナとのキスだよ。”
シーナには伝わらない、伝えたい気持ち。


END




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