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inner mind
【7】side祐司

「…中学の頃から小山君の事が好きだったの!」

 目の前には元同中の女子。

(入学そうそうこれかよ…)

 表面上は冷静を保っていた祐司だったが、内心ではうんざりしていた。

 どちらかというと格好いい分類にはいる容姿に勉強もスポーツも出来るとくれば、憧れの的になるのも無理はない。

 しかしその実態は口の悪い俺様気質。

 大抵の女子は祐司の表面しか見ておらず、いざ付き合ってみるとイメージと違うだのもっと優しくしてだの祐司からしてみれば迷惑意外の何でもない事を延々と喋り続ける。

「よければ…私と付き合って下さいっ」

 顔を真っ赤にして俯く女子生徒。

「ごめん。俺、君の事良く知らないし…」

「これから知ってくれればいいの!だから、ね?試しでもいいから…」

(その試しで嫌になるのはそっちだっての)

 溜め息をつきそうになるのをこらえて出来る限り優しい口調で話す。

「俺、今は誰とも付き合う気無いから…本当にごめん」

「……っ!」

 祐司の言葉に涙目になった女子生徒は背を向けて走って行った。

 女子生徒が見えなくなると大きく息をついて祐司も歩き出す。

「やっぱり慣れねぇな……」

 勿論女子に告白されて、断って、泣かれる事も慣れないが……こうして廊下を歩くだけでまわりから視線を感じるのもあまり気分の良いものではない。

 祐司は自分の容姿が他人からみてどの様な評価を受けるか自覚してはいたが、うだからといって誇示したいわけでもなかった。

 カッコ良くないよりはいいのかもしれないが、良いには良いなりの悩みも沢山あるのだ。

 しばらく歩くと今日から通う教室が見えて来た。

(あぁ〜たりぃ……)

 教室を開けた時の中のリアクションを想像すると無意識に溜め息が出る。

 そんな思いを振り払うように、半幅ヤケで勢いよく教室のドアを開いた。




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あきゅろす。
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