My Beast 【3】 「そして、笙楊は四神の一柱…放たれた神牙の討滅という使命を背負っているの。だから私は他の契約者達を探し出し、共に戦ってくれる仲間を探して…討滅組織『Guardian Knight』をつくったわ」 「そう、だったんですか…」 「今ではかなり大きな組織に成長したけれど、あの頃はキツかったわね…」 一瞬、深鈴の顔に影がかかったが、すぐに何事も無かったかのように微笑んだ。 「ちなみにGuardian Knightって長いから、いつもは『G・N』って省略してるわ」 二つの単語の頭文字をとった、シンプルな略称だ。 「話を戻すけど…『四神』っていうからには勿論四柱の神牙がいるわけだけど、その『四神』てゆうのが… 私の神牙である笙楊。 もう一匹は、他の地区に住んでいる私の従兄の、亀に似た神牙。 そして、もう一匹は…亮一の神牙である緋頼よ」 亮一の肩にもいつの間にか、一匹の紅の鳥がとまっていた。 「結城さんも…契約者?」 菜月は呟く。 「あぁ。俺はG・Nに所属していないが、単独で野放しになっている神牙を追っている」 亮一は短く答える。 しばらく亮一を見つめた後、菜月は深鈴に向き直った。 「えっと…笙泉寺さん?」 「深鈴でいいわ」 「では…深鈴さんの笙楊、従兄さんの神牙、亮一さんの緋頼…残りの一匹は誰の…」 深鈴の眉が、悲痛に歪む。 この先を言うのは私では無いとでも言うように顔を俯かせる。 そして、代わりに亮一が口を開いた。 「最後の一匹は… お前の神牙だ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |