イケメン♂パラダイス
二人の約束
徹「す、すまん…出直してくるわ…」
バタン
―10分後
コンコン、ガチャ
穂織「さっきはごめんな///で、話って何だ?」
徹「うん…最近部活こねぇからさ、何かあったんかと思って。」
穂織「……お前には話すよ。実は…」
穂織は先日、英二と会った時の話を事細かに徹に伝えた。
徹「お前も見たのか。…………実を言うと俺も見ちまったんだ。」
穂織「兄ちゃんも?!」
徹「あぁ。スゲーうざかったのは覚えてる。ボールは友達さーとかなんとかいってたな。ただ、あいつはもうサッカー辞めてるぞ。」
穂織「じゃあ今は何を?」
徹「また野球に戻ったらしい。何考えてんだろうな板東は………」
穂織「……俺明日から部活行くよ!」
穂織は怒っていた。
中学生のとき、英二と交わした約束…穂織はいっときも忘れたことはなかった。
英二はいとも簡単に忘れていた。
英二にとって自分はそれだけの存在だったのか。
翌日から、これまで以上に厳しい練習を自らに課した穂織。
血の滲むような特訓の果てに、とうとう穂織は野球の名門・本産のニ番手エースという称号を手にした。
〜〜〜〜〜〜〜
本産ベンチ。
穂織「(野球をなめるなよ板東。野球は才能だけじゃ出来ないぜ)」
英二「ハァッ…ハァッ…くそっ!」
キュルルル
掛布「いかん、甘い!」
カァーン
英二「しまった!」
掛布「(まだ三回だぞ…。あいつは何でこんなに疲れてるんだ…。)」
まさに英二の弱点はここにあった。普段走り込みをしない英二にとって、ここ最近の連投は思いの外、過酷なものとなっていた。
安東監督がマウンドへ駆け寄る。
安東「板東、行けるか?」
英二「……ハァッハァッ」
安東「ピッチャー交代!板東に代えて…」
英二「待って下さい!!まだ投げさせて下さい!」
掛布「英二…気持ちは分かるが…」
英二「お願いします!今日はなんとしても最後まで投げたいんです!」
安東「……分かった。ただ、あと一点でもとられた時には代わってもらうぞ。」
英二「(多馬さんとの約束……)」
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