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過去拍手
醒夏 番外 バレンタインD



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「……セイ」


窓が開く音がしたからぼんやり視線を移動させると、ベランダへと出た聖一が、こちらに来るのが瞳に映る。


「貴司」


「ごめっ……ごめん」


至近距離から手を伸ばされ、きっと聖一は中々達けない自分に腹を立てているのだろうと思った貴司は身を縮こませて謝罪した。


「今、ちゃんと……なっ、あっ!」


「……」


「や、あぁっ」


突然肩に担ぎ上げられ反射的に暴れるけれど、太股辺りをペシリと叩かれ貴司は動きをピタリと止める。


「ごめ……」


「冷たい」


腿(もも)をそっと撫でた聖一は一言そう呟くと、そのまま部屋の中へと入ってリビングを突き抜けた。


「セイ?」


「まだ震えてる。今、暖めてあげるから」


「え?あっ……」


舌が上手く回らない。
バスルームで一旦下ろされ聖一が服を脱ぐ間も、冷え切った身体は震え、立ち上がろうにも脚に力が入らない。


―――赦して、くれたのか?


中に入れてくれたのは、彼が赦してくれたからだと思いたくて視線を上げるが、途端に身体を抱き上げられて目の焦点が合わなくなった。


「あっ……熱っ!!」


突然尻が湯に触れて、あまりの熱さに身体が跳ねる。


「そんなに熱くないから、ちょっとだけ我慢して」


「んっ……ふぅっ」


バスルームに入った時点で湯舟が頭に浮かんでいたが、抱っこされたまま入るなんて思ってもいなかった。
尚もビクビクと跳ねる身体を少しずつ湯に入れながら、まだ震えている貴司の口を塞ぐように聖一がキスを仕掛けて来て……。


「うぅっ……ん、んぅ」


無意識の内に食いしばっていた歯列を舐められ力を抜くと、出来た隙間から入った舌に縮こまった自分のそれを丹念に舐められた。


「うっ……んぅ」


熱く感じたお湯にも段々慣れてきて……身体から徐々に強張りが解ける。


「ふぁっ、あ、セイ……止めっ」


「ダメだよ。ちゃんと温めないと」


「でも、そこは……違っ」


唇が解放されて、吐息を漏らした貴司だったが、キスで兆しを見せたペニスをヤワヤワと揉み込まれ……羞恥に身体を赤く染めながら聖一の手を慌てて掴んだ。




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