銀魂乱舞
1.木刀
「主様。帰りました」
「第一部隊おかえり。無事に帰ってきてくれて嬉しいぞ」
小狐丸が隊長の第一部隊が本丸の門をくぐったそこで出迎えるのは髭面の審神者。にっこりと笑って第一部隊の無事を喜んだ
「今日の誉は蛍丸か。よくやった」
「そんなになでたら背が縮んじゃう!」
「はっはっは。そんなことを言って嬉しそうな顔じゃないか」
後ろで三日月宗近が笑い、それにつられて燭台切光忠も笑う。その場面は和やかそのものだ
が、そんなのを見ながら薬研藤四郎は顎に指を置いて眉間を寄せていた
「?どうした薬研。どこか痛むのか?」
「…大将…。俺っちおかしなもんでも拾ったのか…?」
「おかしなもの?」
審神者に見せようか見せまいかで悩んでいるような空気を出し、ついに心に決めて両手を審神者の前に差し出した
するとその手に光が乗せられ、だんだんと光が消えていった。そしてその手に乗っていたのは打刀くらいの大きさの木刀だった
「…これは…木刀?なんで木刀なんて持ってるんだ?」
「見つけたんだ。その時確かに桜が舞った」
「…まさか…これも刀剣なのか…?」
「俺らは刀だけどソイツは刀といっても木でできてるから違うでしょ」
「こ、こら。蛍丸!」
蛍丸が木刀を見つめて言った。光忠がそれに対して怒ったが蛍丸の言う事は正答。叱るにも叱れない
「とりあえず他の刀を呼ぶようにその木刀にも呼びかけてみてはいかがでしょうか?」
小狐丸の提案に黙っていた審神者も一瞬間をおいて頷いた
木刀を畳の床に置いてその前に審神者は正座をして目を瞑る。精神を統一させて木刀に呼びかけを始めた
すると、木刀は光を包んで消えたと思ったらその光は大きくなり、人の形へと姿を変えた。そこに立っていたのは銀髪で天然パーマの見るからに女性だったのだ
「洞爺湖の耶子です。主人はだらしないけど自分はしっかりしてると思う………多分…」
突然現れた彼女に審神者は「ほんとに出た…」と言葉を漏らした
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