書物 弐 そういえばいつだったか、文次郎との喧嘩の後にこんな会話をしたかな。そうだ、裏裏山で一発やった後だ。疲れ果てて二人して野原に転がりながら。 「……お前……次は相打ちでなく…勝って…やっからな……!」 「ぬかせ……!お前のような細っちいやつに…やられて…たまるか…!」 「んだと……!?お前!」 またつかみかかろうと体を起こすと、案外真剣な眼とかち合った。 「………食満」 「…………あ?」 「そろそろ卒業だな」 「……だな。なんだ?感傷に浸ってるのか?」 「……………勝手に死ぬんじゃねえぞ」 「………死なねえよ。俺は、簡単に死ぬようなやつじゃないし、お前も死なねえだろう」 「食満」 「なんだよ、さっきから」 潮江は笑った。喧嘩するときよく見る笑顔だった。 「死ぬなよ、お前を殺すのは俺なんだからな」 確かその言葉に俺も笑ったはずだ。 「俺を殺すのがお前なら、お前を殺すのは俺だからな」 なあ、あの言葉、守れちまったな (生が枯れても尚叫び続ける) . 解釈は個々で。そのうち解説 title→KAITOの曲より一部抜粋・改造 [*前へ] |