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mermaid


「景都、苦しくないか?」

達也は風呂場から、リビングにいる景都に聞こえるように、景都を呼んだ。

「大丈夫」

しばらくすると、元気な声が聞こえてくる。

今日は、達也の仕事が休みだから風呂掃除の日。
一週間に一回は風呂の掃除をしなければ浴槽が汚くて景都の具合が悪くなるかもしれないから。

景都は申し訳なさそうに「お休みなのにごめんね」と誤る。
だけど別に面倒くさいとか、苦だとは思ったことがない。

達也は趣味や好きなことが特に無く、景都と出会う前まで、彼女さえもおらず、休日は何もすることがなかった。

1人は慣れていたが、少し寂しい気持ちになっていた。

だが景都が来てから、毎日は楽しいものになっていた。


仕事から帰宅すると、
「おかえり」
と言ってくれる。

純粋な笑顔を向けてくれる。


それが何よりも嬉しくて、達也は仕事から早く帰ってくるのだ。

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