愛が積もる箱
蜜
「ぁっ…ん…ゃぁっ……」
彼は、不定期に僕を抱く。
体を力任せにうちつける、獣のような抱き方で。
「……やっぁ…はっぁ」
「……っ」
視線を泳がせていると、彼と一瞬、目が合った。びっくりして思わず中に入っているものを締め付ける。
彼の眉間にシワが入った。
それがどうしようもなく色っぽくて、僕の快楽がまた煽られる。
「ゃん…っぁ」
力任せで強引な性行為なのに…
何故だろう。
犯される。
心が支配される。
「ぁっ!ぁぅぅ…もっ、やぁ」
快楽で訳が分からない。
止めてとゆうことを主張したい両手は、タオルで縛られていて、ジタバタと動くだけ。
苦しいのに気持ちいい。
止めてほしいのに求めてしまいそうになる。
彼は僕の背中に手をまわし、僕の縛られている両手の間から向かい合うように顔を出した。
そのまま彼は自分の膝の上に僕を乗せた。
「……っん」
自分の体重の分だけ沈んでゆく。
貫かれる。
近距離に温かい吐息を感じる。
「希梛っ!…っ希梛!」
激しく律動が繰り返されるのと同じリズムで彼が僕の名を呼ぶ。
「あっ…はっ…よ…ばない…でっ」
そう言うと、律動が激しくなった。
僕を呼ぶ声が熱くなった。
僕はそれに対抗するかのように、呼ぶなと言った。
いやだ。
呼ばないで
錯覚するから
呼ばないで
愛が満ちるから…
好きだと言いたくなるから……
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