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小説
はちみつ8


大きい方のお兄さんが
車で近くのコンビニまで送ってくれた


女連れて家の周り入られたら迷惑なんだよね、と言うことでコンビニで下ろしてもらった


『何才くらい離れてるんですか?お兄さん』


「 京兄?たぶん13くらいだっけな。あの人口うるさいんだよね 」


と、せっかくご飯をご馳走になったのに文句を追加してくれた

『結構離れてるんですね』

「まぁ間に他の人もいるし」

そっか、琉生さんがいるか

『 琉生さんは? 』

「確か6こくらい」

ちょうど間くらいか
お母さんすごいな、上のお兄さん生んだとき相当若かったのかな


社員証、とってきてくれるらしいからコンビニで待っててと言われた

チョコ買っとこう
あと飲み物

すぐに、7分くらいで戻ってきた風斗くん

結構不機嫌だ


「 なに買ったの? 」

『 チョコと飲み物です、あ、これよかったらどうぞ』

ご迷惑おかけしたから、と
ストローで飲むタイプのスムージーをあげた

帰ろう、と歩き始めると
風斗くんも帰るのか、家の方向が同じなのか一緒に歩きだした



「チョコあれ?僕クリームのほうがすき」


あれ、これちょうだいってことかな


はい、と風斗くんに銀色の包み紙の方のチョコをあげる

チョコは大きなバッグに入れてスムージーにストローをさした

「なんかさー、あんた元気なさそうだけど 」



『え?そうですか?』


「うん。あんたとはこの前の1回しかまだあったこと無いけどあからさまに元気無いのわかる。何、心配して欲しいの?」


『いえ、そういうわけじゃ、ごめんなさい』



そんなつもりなかった
けど、やっぱり動揺してたのかな


「 はぁ。なんかあったわけ?聞いてあげてもいいよ 」


別に、話したくない

でも落ち込んでるのも事実だから


多分このままうじうじしてたら怒るだろうな


『 えっと、偶然先輩と会ったんです 』


「…あの気に食わない誕生日の先輩と?」


『はい、それで、一緒にケーキ食べました。先輩誕生日明後日だし、私もこの前誕生日だったから』


「 だからケーキか。それでなんで落ち込むの?意味わかんない。まさか先輩に彼女でもできてたとか?うける 」


『いえ、先輩は相変わらずフリーでした』


「なにそれ。それで再燃でもしちゃったわけ?」


『 いえ、先輩は昔から、フリーでも私のことなんて全くみてなくて、それは相変わらずだったので 』


「なにそれ。自分に振り向かせればいいじゃん」


『 そんなことできればいいですけどね 』


「はぁ、くだらな。僕そういう人すきじゃないって言ってるでしょ?」


『ごめんなさい、』


「あやまんなよ。あきらかにあんた今理不尽に嫌いって言われたんだよ?」



『 いや、だって風斗くんにすかれなくても困らないから 』


「はっ、あんた結構いい性格してるよね」



『怒ってます?私が朝倉風斗くん腹黒そうで苦手っていったこと』


「 べーつーに。僕が一般人の言うことなんていちいち気にするわけないでしょ」


そうですか


腹黒そうで苦手、って思ってたけど
実際の風斗くんは
腹黒そう、というより黒さが前面に出ている
初対面のときからそういう態度だったからか
苦手という印象は何処かにいってしまった


まぁ一般人のいうことなんていちいち気にしないらしいから言わないけど


「つかあんたの家どこなの?」


『あのファミリーマートの角曲がって右側の本当にすぐのところです』


「ふーん。送ってあげるよ」


『いや、いいです』


「なんで断るわけ?ありがたく送られときなよ」


『…ありがとうございます』



「あ、忘れないうちに渡しとくよ」


と、社員を大きな鞄からだす風斗くん

『ありがとうございます』

受け取ろう、と手を伸ばしたが
すぐに社員証が引っ込められた

「あんた髪切ったら?こっちのがかわいいじゃん」


『いや、伸ばしてます』


「せっかく僕がオススメしてんのに。まぁいいや。あんた一般人だし 」



一般人ならいいのかな

せっかく琉生さんが切ってくれたのになー
やっぱり短い方がいいのかな

でも、先輩は髪が長い彼女のことが好きだから

大学の時もそれで伸ばしていて
入社前に切り替えよう、と一度バッサリ切ってもらった

忙しくて、まとめられて楽だからという理由で伸ばしていただけだった髪なのに
なんで先輩の事なんて考えたんだろ


『 あ、ここです。おうち』


「 ふーん。じゃあね 」


ひらひら、ともう違う方向に歩きながら
背中で手を振る風斗くんは
この前と一緒だった





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あきゅろす。
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