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小説
2013.18


蔵カフェというところにきていた

3時のおやつにちょうどいい時間だ


迷った結果のクリームあんみつにした僕

みんなのもおいしそう


けんくんと前野さんの仲良くなった話はもう5回くらい聞いたことがあった

きいてるこっちが恥ずかしくなっちゃうような話

そう思ってるのは僕だけじゃ無かったようだ


『けんくん、バナナ、バナナ食べたい』


「 んー、 」


あーん、とけんくんのパフェのバナナを食べさせてくれる


「いや、でもこの2人は長いですから」


『ん?僕たちですか?』


「 まぁお互いデビュー作のころからだったからね 」


「そのころは人見知りとかどうだったの?瞳くんも結構人見知りでしょ?」


『 僕は凄まじいですよ。自分の年齢すら言えなかったですから 』


「ねー。すっげえ大人しいの。俺も最初は同じくらいの年齢なのかなー、と思ったら高校生で驚きましたね」


『こ、コミュ障時代の僕の話はや、めてきだ、ください』


「動揺しすぎだろ」


「あれ?瞳くんって何歳?」


『けんくんといる時よく聞かれるんですけどね、25です。』


「 あ、意外に若い 」


「あれ?瞳27じゃなかったっけ?」


『 おい!25歳!若いの!みゆくんと一緒にビタミン最年少なの! 』


「あぁごめんごめん。間違えちゃった」


『もう。怒ったよ僕』


「いいねえ、若いって。収録してた時っていくつ?」


『ギリ19歳とかですかね』


「すごいね、10代、若い」


『 若いんです。可愛がってください 』


「 あーかわいいかわいい 」

と、隣から手が伸びてきて頭を撫でられる

『ぎゃ!』


ぐしゃぐしゃになったよ、全く!


気付いたらあんみつの白玉はけんくんに食べられていた

おやつが終わると

みゆくんの指令で短歌を作ることになっていた



おまえには
言っておきたい
ことがある

「この後の七 七を考えて下さいということで」


『えー、むずかしい、ラジオみたいだね』


「 本当ですよ。なんでここまできてラジオの延長みたいなこと」


『 えー、いいじゃん。僕あのラジオビリビリ以外楽しかったよ 』


「ビリビリな!あれ本当いてえ」


無言にならないようにいちばん若い僕はがんばってまわす


えー、お前には
いっておきたいことがあるかー
それに北海道絡める上にキュンでしょ?

好きだよとか言っとけばいいのかな

うわ、自分の考えに引いた
性格悪い


ちゃんと考えよう


『できた!』


「 はい、じゃあ誰からいく? 」


ジャンケンで、と
前野さん
野島さん
森久保さん

けんくんの順番に発表していくことになる


「はい、じゃあ次瞳くん」


『はい!キュンを追及した所を考慮していただきたい』


「 工藤さんの? 」


『全国の先生達のです! 』


僕はちゃんと考えたんだよ!
けど、回しながらだと全然出てこなかったんだ


「お!じゃあ発表していただきましょうか」


『はい、あ、あれです、僕のあだ名はきゅんぬですよ。君をきゅんきゅんさせたいでおなじみの』


「ハート強いよなお前」


『うん、じゃあ発表しますよ』


「早くしろよ。何釈とってんだよ」

と、けんくんにおこられた


だって発表したくなかったんだもん

「では、どうぞ」


『お前には、
言っておきたい
事がある とりあえずいま はこだてにいる』



「なに?電話なの?知ってるわ」


「事故だね事故」



『や、やめてくださいああ、あ、あ』


「なんなの?あれだけキュンキュンさせたいとか言っといて現在地の報告って」



『ごめんなさいごめんなさい。うつさないで。もうはやくけんくんいきましょ、お!』


「この流れで俺かー。つらいな」


『ごめんなさい、出来の悪い後輩で』



「いや、そんなことないけどね。よし、じゃあいきます。」


『先輩、僕のぶんまでお願いします』


「お前には、
言っておきたい
ことがある
秋の函館 ちょいと寒いぜ
、こっちこいよ」


「おおー、正統派」


「ん?文字数あってます?」


「しー!ばれてないばれてない!」


『先輩、それ僕のぶんカバーできてます?』


「 な!瞳まで! 」


「文字数めちゃくちゃじゃねえか」


「でも函館漢字でかけてるね」


「台本見ましたけどね。最初、ちょいと寒いぜまで書いて キュン忘れたと思ってこっちこいよって足しました 」


「それだから文字数おかしなことになってんだよ」


『14文字でキュンを表現する難しさは伝わったでしょうか?』


「それでは工藤さん、判定お願いします」


と、みんなで工藤さんの方に色紙を向けてアピールする

僕の現在地報告はどうだろう


と、工藤さんには見向きもされず
前野さんのが選ばれていた
いちばん真面目だったしな


そして2個目は

お姉ちゃんという単語を入れて
幼稚園児がいいそうな川柳

きたよ、幼稚園児


もう失敗できない、と
回すのはけんくんに任せて
必死に考える

えーと、函館要素も入れた方がいいよね
あと藍ちゃんっぽさ

むずかしい
なんも出てこない

某水泳選手風に言えば
なんも言えねえ


あー、なんか胸が痛くなってきた
そういえばさっき胸のあたり弱いって言われてたしな僕
最近結構胸痛いからな


「 はい、できましたでしょうか」


『んー、むずかしいね、幼稚園児って』


もう一度ジャンケンをして
発表する順番を決める

前野さん
森久保さん
けんくん
野島さん
そして僕


やべえ、トリだ
先輩に助けてもらえないじゃん


「はこだては
ひろすぎるから
おねえちゃん
おててつないで
はなさないでね」

と、けんくんのかわいい幼稚園児が今のところ優勢だと思う
ぼくてきには

やっぱり座長さんだからしっかりしてるよね、けんくんは

ちゃんとしたの作るのうまい


ぼく、前はここまでこういうの苦手じゃなかったんだけどな
最近調子悪い


「はい、じゃあいよいよラストです。瞳、今度は大丈夫?」


『だ、大丈夫だよ』

「 それではお願いします 」


すぅ、と気分的に高めの位置で息を吸って
幼稚園児声を出す準備をした

そして滑舌をゆるめに発声をはじめる

『おねえちゃん
てはじめにまず
けっこんしよ
そしたらつぎは
いっしょにねんね』


「ストープッ!はい、一回止めて止めて」


『ひっ』


「いやらしいな、おい!」


『ぼく、いやらしいとかよくわかんないよぉ?』


「ごまかすな!なんだよ手始めにまずって!」


「一緒にねんねとかかわいらしい言い方してますけど結婚して一緒にねんねっていかがなものですか?」


『 ぼく3さいだからわかんなぁい 』


「そうだ、幼稚園児ですからね、一緒にお昼寝するだけだよね?」


『そうそう。手始めにまず結婚してもらえればいつでも一緒にお昼寝できるからね』


北海道要素ないけどね

手始めにまず
とか藍ちゃんっぽいでしょ?
いちいち硬い言い回しとか
ちゃんと順序ふむようなとこ


「 それでは、非常に心苦しくありますが、判定していただきましょう 」


工藤さんにむかって幼稚園児でアピールとカンペがでた


「おっぱっ」


『 まえのさん! 』


「ちょ、お前何言ってんだよ!」


「すみませんすみません!」


「 では、あらためてね、お姉ちゃんお願いしますで行きましょうか 」


『はーい』


けんくんの幼稚園児かわいいなあ


でも、高い声だしたせいか
ちょっと息が切れてしまった




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