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小説
2013.17


『笹原さん何がいいと思う?』

みゆくんからの指令で
500円でお土産を選ぶことになった

さすがに遊んでばっかりじゃいられないよね
半プライベートと言っても


笹原さんがカメラマンをしているから
一緒に選んでもらおうと意見を求める


「 お前こういうの選ぶの得意そうじゃん 」


『 えー、得意じゃないよ。なんかね、選んで迷って迷ってわかんなくなっちゃう 』

ちなみに笹原さんはマイク付けてないから
ぼくのひとりごとみたいに写ってると思う


それになんていうか
笹原さんの言ってる意味はお前女だからこういう女の子が好きなの選ぶの得意だろって意味でしょ

いちおう僕長いこと男の子やってるんだけどな
そのせいでだいぶ女の子の選ぶの苦手になってきたけど


『何欲しいかなー。僕的に白い恋人とかなんだけどね』


「 それ企画としてどうなんだよ 」


『 ですよねー 』

個人的に買って帰るか
じゃがぽっくると



何がいいのかな
かわいいのがいいな
ポーチとか


和小物屋さんを見つけて入ってみるけど
かわいいポーチは500円ではなかなか買えなそうだった


かんざしとかもかわいいけど高い


あー、あれかわいいな
手鏡

使えるし
値段も473円

持ち運びちょうどいいサイズだし

あ、あれもいいな
リボン

ぼくリボン付けている子好きだし

リボンのバレッタみたいなやつ
は860円

ゴムだと450円


ゴムにしようかなー



と、真剣に選んでいると


けんくんの声が聞こえてきた


『 あ、笹原さんけんくん!けんくんいる 』


「えー?」

と、笹原さんは僕が指を指す方にカメラを向けるとけんくんは何やらカメラに向かって話していた

手を振ると気づいてくれた



『 いいのあった? 』


「うーん、かわいいと思ったんだけど買えない」


と、風呂敷のバッグを指差していうけんくん


たしかになかなか500円だとなかなかいいの無いよね



『けんくんは?欲しいのあった?』


「俺が?」


『 うん、僕は白い恋人 』


「あ、すげえ、手相だって」



『手相?』


と、けんくんが見る方を見ると
手相占いの、
しかもちゃんとした感じの屋台みたいなのがあった


「 やれば?2人 」


と、笹原さん


『 いいの? 』


「 うん、料金出してやるしお前らの映像とってやるよ 」


「いや、そんな悪いですよ」


『笹原さん優しい、どうしたの?』


「 おい、そんな言われんならやんねえよ 」



『うそうそ、やる!』


すみません、と占いのおばさんに僕らの素性を伝えるのと撮影許可を頂く


『僕、手相初めて』


「まじで?おれ何回かあるかも」


まずこちらに名前と生年月日書いてください、と紙を受け取る


『えーと、本名ですか?』


「本名だろうね」


けんくんは大橋賢一郎ってかわいい字で書いていた


僕も、と大塚瞳と書く

ちょっと、けんくん見ないでよ
フルネーム見られるのなんか恥ずかしい


「 えー、では、さっそく手相見せていただいてよろしいですか? 」


『はい』


「 お願いします」

と、2人で手をだした


『 どっち手ですか? 』

「 両手でお願いします 」


「両手だって」


『けんくん指キレイだね』


「 いや、瞳の方がキレイっしょ 」


『 けんくんのが手大きいね 』


「そうか?合わせる?」

と、手のひらをこちらに向けるけんくんの手に自分の手を合わせた


『 ほら、ちょっとけんくんのが大きい! 』


と、カメラに見せる


「僕の方が少し身長も高いですからね」



『 ずるいよな。早く手相みせろって話なのでこの辺で見ていただきましょうか 』



と、再び机の上に手をのせた

『 まず何きく? 』


「仕事運とかわかるんですか?」


「 はい、そうですね、大橋さんの方は 」


『あ、すみません、けんさんと僕の方は瞳でお願いします。僕らの芸名で、』


「 そうですね、えー、大橋さんの方は今すごく上がっています 」


『 お?』

「2013年から知名度が上がる仕事がどんどん入ってきますね、今までに無いジャンルの仕事もあります。今以上に忙しくなります」


『 おお、けんくん忙しくなるって 』


「すごいわかるんだね、手相だけで」

『ねー、性格とかだけじゃないんだ』


「 そういうイメージですけどね 」


「はい、瞳さんの方はですね、あー、浮き沈みがすこしありますね」


『えー、不調ですか?』


「 頑張りすぎてしまう傾向があるのでね、やむを得ない理由で停滞したり、などがあります」


『 えー、困りますね 』


「確かに瞳はすごい頑張りやさんだからね」


『えー、ほめてくれてるの?僕の500円いる?』


「自分で選びなさい」

『怒られました』


「でも、お二人ともすごくスター性と華を持ち合わせているので、ファンがすごく力になってくれるタイプですね」


『おお、ありがたい』

「ありがたいですね」


『これからも僕たちをよろしくお願いします』


「お願いします」


「 他には、何わかります? 」


『性格とか?恥ずかしいな。僕かなりキャラ作ってるから』


「そんなこと無いですけどね。いつもこのままですよ」


「瞳さんはここの線とここの線が交わっているでしょ?」


『あぁ、はい確かに』


「ここが交わっている人は感受性が豊かですね。涙もろかったりと」


『 わあ、!ぼくすごい泣き虫なんですよ!ばれた! 』


「 俺も結構涙もろいですけど、交わってないね 」


「 あとこの線のある方はすこし優柔不断というか深く考えすぎてしまう傾向にあります 」


『あー確かに。お土産決められないし。いいことないね、僕。泣き虫の優柔不断で』


「いえいえ!とても頑張り屋さんで、年齢が上がるにつれて大人の色気がでて来ますよ、こういうタイプは」


「大人の色気ですか!想像できないね!」


『 セクシーに慣れますか、僕が 』


「見てわかるようにすごくキレイな手をしているんですよ。なのでキレイな生き方をしていきますよ。ただ、お辛いことがあっても、表面に出さないタイプなのでね、そこは気をつけていただいた方がよろしいと思います」


「 後はですね、けんさんの方はこちら、親指の付け根の辺りが肉厚なので繁殖力が優れてますね 」


「繁殖力っ」


『 アダルトだね 』



「 まぁな、つか、犬みてえだけど 」

「後、太りやすくて痩せやすいですね」


「そうなんですよ!気を抜くとすぐ太ります」


『僕はけんくんが太ってても好きだよ』


「おお、ありがとな」


『 なんだよその適当な返し 』


「きゅうに対処できねえって。すみません、続きお願いします」


「そうですね、後はけんさんは少し人見知りなところがある割には上手く人の心に滑り込んで行くタイプですね」


『おお、ずる賢い』


「 おい 」


「後、けんさんはすごく真面目で、少し真剣に考えすぎてしまうこともありますね」


『おお、確かにけんくんすごくまじめ。いいこなんですよ。けんくん』


「瞳は俺の母親なの?」


『相性とかどうですか?』


「相性はね、ぴったり。けんさんがすごくまじめな分、瞳さんが少しゆるかったり、逆に瞳さんが1人で煮詰まって煮詰まってどうしようも無い時にけんさんがするっと心の隙間に入っていったりとお互い上手い感じに助け合いますね」


「おお」
『おお』


「男女だったとしたら結婚まで行く相性です」


「めちゃくちゃすげえじゃん」


『結婚しようか』


「 しちゃう?ってなんでだよ!」


べしんと笹原さんに叩かれて口を閉じた

やめて、笹原さんけんくんに誤らないで
ごめんなさい


『 えー、後は今後気をつけた方がいいこととかありますでしょうか 』


「 瞳さんの方はここ、ここの部分が少し盛り上がってますね 」


『 あー、はい、確かに 』



「 ここが盛り上がる人は胸だとか肺、肋の辺りの運気が少し弱いんですね、そちらに気をつけていただいて 」


『おお!確かに僕前あばらおったことあるんですよー!気をつけよ 』


「 へえー、確かに。俺も折れたけど 」


たしかに、

「けんさんの方はね、お腹が空くと少し不機嫌になりやすいのでそちらを気をつけていただいて」


『 ははっ、けんくん子供じゃん! 』



「いやでも、俺本当に、腹減るとテンションあがらなくなっちゃって!気をつけて行きたいと思いますけどね」



『はい、僕もね、肺とか肋とか気をつけて行きたいと思いますけどね』


というか現在進行形で痛いからな


ものすごく当たるんじゃ無いのかな、あの人の占い


優柔不断な僕は占いが終わると急いでお土産を決めにいった





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