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小説
2008.04


次の現場でおきているか不安だったから
現場に着く前にメールをすると
ちゃんと起きていたようだったから
とりあえず安心した



『おー、けんくん』


「ごめん、起きれなかったや」


そういいながら鍵を返してくれたけんくん


台本を確認して待っていると
桑島さんが他の現場が伸びているらしく
先にラジオの打ち合わせをして
ラジオ取りから始めることになった


「 『 喫茶 トワ・エ・モア 』 」


『 最近寒いよね?こういう日はあったかいカフェラテとかどうかな?はい、水無月潤役の瞳です。いらっしゃいませ、ぼくもカフェラテ今日の朝飲みました』



「 身体冷やしてんじゃねえ。ジンジャーミルクティー入れてやるから、これで暖まれ。はい、いらっしゃいませ、卯月瑛士役のKENNです。おれも今日はカフェラテ飲んじゃいましたー 」


『 はい、この番組はリスナーのみなさんと午後のティータイムという優雅なひと時を過ごす番組です 』


「 最近寒いですね、皆様はいかがお過ごしでしょうか 」


『 けんくん朝ぶりー 』


「 おー、そうだね。つか言っちゃうんだ 」


『 うん、あのね、けんくん今日遊びに来てくれたんですよー。ということでお便り紹介しましょうか 』


「 うん、どういうことかわからないですがお便り紹介します。じゃあ瞳読む? 」


『 おーう、おれ読む。お客様ネームありあさんからです』




瞳さん、KENNさん
注文お願いします
新年、あけましておめでとうございます
お二人は年末年始いかがお過ごしでしたか?
あ、KENNさんはラケット振ってましたかね?
冬も中盤ですがお二人は寒いのと暑いのどちらが耐えられますか?私は秋が好きです


『 うん、ぼくも秋がすき 』


「おれも秋かな」


『だよね』


「終わっちゃった!ちょ、どっち?選ばなくていいの?」


『 えー、じゃあけんくんは? 』


「 俺は暑いののがいいかな。夏のが好きだし 」


『 俺暑いの耐えられない。死んじゃう 』



「じゃあ瞳は冬?」


『 うん、寒いのはある程度だとちょっとテンションあがる 』


「確かに。わかるわかる」


『ね、鼻の中痛くなるけど嫌いじゃない』


「 えむなの? 」

『えむだよ』


「 え? 」


『うそうそ、どっえす』


「いや、ちょい待ってよ」


『けんくんちょいえすだよね』


「 まぁそうだよねー、あ、じゃあ続いてお便りいきます。お客様ネーム早川さんから 」


『おう、苗字』


瞳さん、KENNさん
注文お願いします
私には年が離れた小学生の弟がいるのですが、最近としごろなのか自分の事を 俺 というようになりました
今まで自分のことを名前で呼んでたのに、と少し寂しくも思います
ここで質問です。お二人はいつから自分のことなんて呼んでいますか?
そしていつ頃から俺 と呼ぶようになりましたか?


「えー、いつからかな」


『 けんくん自分のことは?なんて呼んでるの?けんくん? 』


「それはおかしいね、20代も半ばなのに自分のこと君付けで呼ばないね」


『ですよねー』


「俺は俺だよね、だいたい」


『 だよね 』


「まぁキャラに合わせて僕とかもいいますけど」


『 うんうん、いつから?いつから俺になった? 』



「えー、覚えてないなぁ、多分俺も小学生の後半とかだよねー、周りとかもだいたい俺って言うようになってくるじゃん?だからだんだん僕って言うのが恥ずかしくなってくるんですよ。でも親とかになんていおうってまよいますよね」


『 あー、わかる。おれ基本外ではおれとか僕だけど、家では自分のこと瞳って言ってる 』


「え、まじ?」


『 うん、普通に瞳もそれ食べるとか 』


「まじで、かわいいなお前」


『えー、言わないの?かわいいとか言われちゃうと照れるんだけど』


「 言わないよねー。瞳はふだんから結構自分のことおれとか僕とか曖昧だよね 」


『うん、決めないようにしてる』


何年か前に、けんくんとその話はした
あと5年くらいは一人称決めないって

「 くせじゃないの?一人称って。小学校で変えたとしても何年も言ってるでしょ? 」


『 まぁそうだけど 』


「 あれ?瞳って何歳だっけ? 」


あれ、けんくん、わざとかな


『えー、なんと20歳なんですよ』


今日、誕生日だから



そういった瞬間
ブースの明かりが消えた

『え?え?』


「 そうなんです瞳が今日で20歳になりました 」


そしてブースのドアが空いて
ロウソクのついたケーキを持った桑島さんが入ってきた


「 瞳くんおめでとう」


そういいながらスタッフさんがケーキを運んで来てくれる

『 わー、ひゃあ!ケーキ!ケーキ来ましたよ! すごい!おいしそう! 』


真ん中に20という数字ろうそくと
瞳くんとかかれたプレートが乗っている

赤いケーキ、たぶんフランボワーズの味のムース
僕の一番好きな味だ


あと、シャンパンが一緒に出てきた


『 な、んで僕のいちばんすきな味しってるんですかぁ! 』


やばい、これは嬉しい


「瞳、誕生日おめでとう。瞳も大人の仲間入りだね」


『 そ、うだよぉ、おれ、おとなに、なったぁ 』


「大人になったの?なんか泣いちゃいそうだけど」


『だって驚いて、うれしい、どうしよ、』


「 えー、スタッフさんがサプライズでケーキとシャンパンを用意してくれました 」


『わー、うれしいです、ありがとうございます』


「 食べようか 」


『食べていいんですか?食べます!』


「 瞳、誕生日おめでとう 」

乾杯、とシャンパンのグラスを合わせてシャンパンを一口のむ


『ありがとうございます、あ、ちゃんとお酒です。けんくん大丈夫?』

フォーク、フォークどこだろ、と辺りを見回す

「どうやって食べる?」

あ、けんくんフォーク2本持ってるのね

ケーキ丸いの、切れてないから
このまま食べていいのかな?
流石に20歳だから顔面ケーキはやらない
もったいないし
まぁもったいないっていっても潰したケーキたべるけどさ
これ赤くてかわいいのにもったいない

「瞳、」

はい、とけんくんがフォークに大きめ一口をのせてこちらにむけていた


『 くれるの? 』


「はい、あーん」


あ、と口を大きくあけたけど
ぼくの口結構小さめだからか横のところにクリームつくし喋れなくなった


『ん、ごくん、お、おいしい!』




「そして、僕からも」


『 え? 』



と、けんくんは机の下から紙袋を出した



「 はい、照れますが 」


『 わぁ、あ、ありがとう 』


「瞳ともね、長い付き合いですから。瞳が大人になってお兄ちゃんはうれしいよ」


『お、お兄ちゃん!あけていい?』


「どうぞどうぞ 」


あれ、箱だ箱


『お、おおお!』

あれ、これ


『 ゲーム機です! 』


「いつも瞳には貸してたんでね、そろそろ瞳も自分のが欲しいかなって」


『そう!ちょう欲しかった!今年笹原さんにほしいっていったやつ!』


「笹原さんに言ったの?お父さんかよ!これで一緒にゲームしようね」


『する!』

しかも、けんくんとおそろいの青いやつ


箱からとりだして
周りの保護用の袋から取り出したときだ

『あ!わぁ!わー!』


「 あ、気付いた? 」


『 キラキラしてる! 』


「 せっかくなんで、ちょっとラインストーンつけてみました 」


横のところにと後ろのところに
キラキラのラインストーンでデコレーションされている

やばい、これはかわいい


『かわいいかわいいかわいい!すっごいうれしい!けんくんすき、ちょうすき』


「 よせやいよせやい 」


『けんくんそれ番組ちがうけどちょうすき!』


「よろこんでいただけたようで」


『うん、ちょうよろこぶ、すき』


「 うん、一緒にいっぱいゲームやろうね 」


『やる、ちょうやる。狩とかする』


けんくんすき
ちょうすき、とラインストーンのキラキラを指でなぞった

かわいい、キラキラ


ラジオ放送されているということも半分以上忘れて本気で喜んでしまっていた


けんくんに誕生日祝ってもらって
20歳になってよかった






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