小説
みこりん3
鹿島がお菓子をもらっていた
前の授業の調理実習で作ったからだ
鹿島ももらってるけど、
実際に自分で作ったのに
女子たちは
ということでもちろん私も作っている
だから、お菓子をくれようとする女の子達には丁重にお断りしたりしていた
みこりんは迫ってくる女の子達にびくびくしながらもらおうか断るか迷っていた
『 もらえばいいじゃん、お菓子くらい 』
「いや、だってよお。お前は?
『持ってるけど』
「あ?断ってなかったか?女子からの」
『 うん、もう持ってるから断ってる 』
「本命一筋かよ」
『 は?なにいってんの、みこりん 』
作ったカップケーキを食べようと包みをあけた
『 みこりんもたべる? 』
「お前のだろ」
『うん、2つあるから』
「作ったやつに悪いじゃねえか」
『 大丈夫だよ、そんなの 』
「お前!そんなのって言い方はないだろ」
なんで?
『なんで?いいよ、べつに』
「 お前がそんなの決めんなよ 」
『作った本人がいいって言ってるし』
「 そうなのか? 」
『うん』
「 えっと、じゃあ、食う 」
『 おう、どうぞどうぞ 』
みこりんにはチョコチップたっぷりの方をあげた
みこりん甘いのすきそうだし
うまってみこりんが食べてくれて本当にみこりんはかわいい
そんなみこりんみるとやっぱりペアになりたいんだなって実感した
あの、野崎の漫画の為だけじゃないんだ
『 みこりん、すきだよ 』
「 なにが 」
『 みこりんが 』
「 …あー、こっち食いたかったのか? 」
『…ちがうし』
みこりんかわいいけどさ
なんで告白流すの
この前からずっと
女の子が一生懸命気持ちつたえてるのに
まぁタイミングはイマイチだったかもしれないけど
『 …みこりんなんかきらい 』
「は!?」
失恋ですよね、そうですよね
なんか1人で空回りしてる感じが恥ずかしくなって席を外した
こういう時は野崎に相談するのが一番いいと思ったから野崎のところに行くことにした
野崎、いるかな
『 野崎ー? 』
「あ、瞳ちゃんじゃん」
「ちゃん付けすんなよ。なれないから気持ち悪いんですけど」
野崎のクラスの男の子達がわらわらと寄ってきて頭を撫でる
きっと馬鹿にしてんだな
「 調理実習だったんだろ?俺たちにお菓子は? 」
『 もう食べちゃいましたよ、みこりんと』
「くそ、御子柴かよ」
『 ねえ、野崎は? 』
「さぁ、知らねえけど」
『 どこいったんだろ 』
「 野崎になんか伝えることあるなら伝えとくけど 」
『 いや、そういうんじゃなくて恋愛相談だけど』
「は?まじ?好きな子いんの?」
『 まぁ一応いますけど 』
「え?女?男?」
『なんでそういうこときくの!女の子なんだから男が好きだよ!』
「 いや、だってそんな格好してるからさ 」
『いや、それはそうですけど。やっぱりこんな格好してるやつが好きな人とかできても無理かなあ』
「 そんなことねえって!瞳は男からもちゃんと人気あるから心配すんなよ!」
『いや、でもさぁ…実際告白されたら困るでしょ?』
「おれが?」
『うん』
「 瞳に? 」
『うん』
「…いや、こまんねえし。つか、むしろ、うれ『 ちょっとまって 』
…え?」
『野崎!』
「おう、気付いたか」
『気付いたかじゃないですよ!いつから見てた?むしろなんかメモしてんじゃん!なに?ネタ?』
「あぁ、ちょうどいいと思ってな」
『 ちょうどいいじゃない!ネタ提供代いただくよ!』
「いや、それはちょっと…」
まぁ冗談だけど
というか、野崎の漫画に自分は加わっているのだろうか
いたとしてもただのモブだからあんまり関係ないと思っていたけど
「というか、御子柴がまってるぞ」
『 …え?みこりんが?』
「あぁ、そこにいる」
と、野崎が廊下の方を指差すから
ドアから覗くと
みこりんがなぜかウロウロしていた
『おー、みこりんどうしたの?』
「…どうしたって、お前、怒ってどっか行っちまうから。俺のこと嫌いとかいうしよ」
『 だって、みこりんが 』
「悪かったな」
と、頭のうえに何かを置かれた感覚
なんだろ、 とそれを取ると
『なにこれ?』
「限定三種のベリー味のポッキー」
『え、くれるの?』
「おう!お前、ベリー系好きだろ?」
『うん!みこりんありがとう!大好き!』
ほら、やっぱりみこりんのこと
すきになるしかないじゃん
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