小説 オレンジ 何故だか、彼がきになってしまった だって、 彼は何故か私に親切にしてくれたから 近づくことすら危うい 彼が人間でいることを邪魔する存在なのに 「 なんか近くないか? 」 『 あなたのこと、気になります 』 「 僕が半妖な理由かい?残念ながら僕もそれに関してはよくわからない 」 『 そうなんですか、でも、気になるの違います。あなたが私に親切にしてくれた理由です 』 「言っただろ、眼鏡の美少女が困っているのだから助けるのは当たり前だ」 『じゃあ、私がもし眼鏡をかけていなかったらあなたは助けなかったのですか?』 「 時と場合によるが 」 これは新たな疑問点が出て来てしまった 『 あなたにとっての眼鏡の重要性はどの程度のものですか? 』 「僕は常々言っている、女の子をショートケーキにたとえるとしたら眼鏡は苺だと」 それは、かなりの重要性があるとわかる なんなのだ、彼は 半妖な事はわかった この異常なまでの眼鏡好きは半妖のせいなのか? 『 あなたのことがわかりません 』 「神原秋人、3年だよ」 『 私も、3年です 』 「 名前は? 」 『大塚瞳』 「 よろしくね、大塚さん 」 そう言って手を差し出した彼 けど、私はそれを掴まなかった 『あなたのことがわかりません。でも、興味があります』 「 そうか、眼鏡美少女が僕に興味を持ってくれるのは嬉しいな。なんでも聞いてくれ。わかる限りで答えるよ」 『あなたがそこまで眼鏡に執着する理由は?』 「 そうだな、話すと3日くらいかかるけど聞いてくれるかい? 」 嬉々という彼に若干引いてしまった 『じゃあ今度時間ある時にでも。べつの質問をします』 かちゃり、と少し下がった眼鏡を上げると 彼の目が僅かに光った気がした 「なんだい?」 『妖夢、異界士、神原くんは私の知らないことをいっぱい知っていた。教えて?』 胸の中に色々な感情が渦巻いていた 彼に対する純粋な興味 恐怖 ほかにもいろいろ オレンジ色の野菜ジュースを一気に飲み干した [*前へ][次へ#] |