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小説
16


「エトワールが人命救助だー!救助ポイントが加算されたぁあ!」



今日はジャックされた客船から
乗客の救助とジャック犯の逮捕だ

ちなみに俺は船の上は苦手だ
なぜなら錬成できるものが少ないから
体当たりで犯人を捕まえなきゃいけない


犯人が刃物を振りかざしながらこちらに向かってくる


パンっと手をあわせて
適当に壁の内部から武器を錬成した

ちなみに腰に指してる剣はレプリカだならつかえない


カキン、カキンっと刃が交わる音



しかし

船が揺れたせいでバランスを崩す

『あっ』


ずるっ、
地面にしりもちをつき

犯人が降り下ろしたナイフを右手でつかむ
ガキンッ


これ、スタイリッシュじゃないよ、華麗さの欠片もない
絶対後で社長さんにおこられる!



その時


ボワァッ


「チッ!」


横から炎が飛んできて
犯人がよける


『ファイヤーエンブレムさんっ、』



その時
くらっと少し目眩がした

なんか知ってる、この感じ
前にもあった



俺が追い詰められてて
それで
横から炎が


『…』


でも、
そんなことヒーローをはじめてから無くて
その時俺を助けてくれたのは
ファイヤーエンブレムさんじゃない


胸が痛い、
くるしい





結局俺は犯人を逮捕できず

ファイヤーエンブレムさん
スカイハイさん
キッドちゃんが逮捕していた



もやもやとした気分のままだった



『あ、お疲れ様です』


「どうも」


ぺこっと頭を下げたのさ

さっき俺が武器を錬成してる横で見切れていた折紙先輩だ

ちなみに折紙先輩という呼び方はバーナビーさんが読んでいて俺はうつっただけだった

だからもちろん、俺は折紙先輩やバーナビーさんと同じ学校に行っていたわけではない
まぁでもヒーローとしては先輩だし折紙先輩って呼び方でも問題ないだろう


『元気、ないですね』


「どうせ僕は見切れていただけですから」


そういって肩を落とす折紙先輩

え、折紙先輩ってこういうキャラだっけ?

なんか
今日もバンバン見切れるでござるよ
とか気合い入れてませんでしたっけ?


「そういえば手、大丈夫ですか?素手で受け止めてましたけど」


『あ、あぁ、あれくらいは』


「よかったです」


そういいながらもため息をつく先輩


『えっと…何か悩みあるなら相談乗るけど?』


「…悩みってほどのものではないです、また僕はポイントとれなかったと思って」


あれ、この人ポイント取る気あったんだ…


『お、俺はポイントに見向きもしない折紙先輩も良いと思うけどな』


「そんなのヒーローらしくないじゃないですか」


『ヒーローらしいってなんだと思います?スカイハイさんやバーナビーさんはパーフェクトなヒーローだと思いますがみんながあの2人みたいだったらつまらないですよ、アニエスさん風に言えば視聴率がとれません』


「僕は見切れてるだけなのに視聴率に貢献できてるのでしょうか」



『折紙先輩のブログ読んでますよ!先輩のブログ、たくさんファンからコメント来てるじゃないですか!先輩目当てでテレビ見てる人だっているんですから、視聴率にちゃんと貢献できてます』



「あ、ブログ読んでくれてたんですね、ありがとう…それと、少し元気でた、ありがとうございます」




ようやく少し明るくなった折紙先輩の顔にため息を吐いた






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