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小説
12


ガッシャーン

派手な音がトレーニングセンターに鳴り響いた


「うおっ!やべっ!」

そういったタイガーさんの前には
壊れたトレーニングマシーン


「ちょっと何やってんのよ!」


みんなして壊れたマシーンとタイガーさんの回りに集まっていく


「いや、ぶつかっちまってよ、うわ、完全に壊れちまってるな」


「[正義の壊し屋]はビジネスの中だけにしてくださいよ、まぁもちろんビジネスの中でも何も壊さないでいてくれたら助かりますが」


「参ったなー、弁償だよな」

「今月は切り詰めるんだな、虎徹」

苦い顔をするタイガーさんの肩を
慰めながらぽん、とバイソンさんが叩く


『あ、あの』


「こんな高価なマシーン、おじさんの給料でどうにかなるんですか?」


「タイガーただでさえ賠償金だらけなのに!」


『あの、タイガーさん』


「あ?どした?」


ようやく口を挟めた俺は


『おれ、これ直せますよ』


「はっ!?なおせんのか!?」


『はい』

ぱん、と手をあわせてから
ぺた、と壊れたマシーンに手をつく

錬成反応がおこりパリパリと電流が走る

すると倒れたせいで外れてしまっていた部品や割れた部品も元に戻り
新品のようなマシーンが当たり前のようにそこに立っていた



「す、すげえ」

「すごーい!さすがエトワール!魔法みたいね!」


「そういえば君の能力は物質の変化でしたっけ、便利なものですね」


みんな驚いているが

『魔法ほど便利じゃないですけどね』


「でもこの能力があれば壊れたもん何でもなおるんだろ?賠償金なんて無くなるじゃねえか」


『まぁ確かにそうですが、基本は等価交換です』


「とうかこうかん?なんだそりゃ」


『何かを得ようとするにはそれなりの代価を払わなければいけないんです、まぁ簡単に言えばなにもないところからは何も生まれないってことです』



「?よくわかんねーな」


『あはは、まぁ深く考えないでください』





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