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小説
大胸筋1



朝起きたら
目の前に素晴らしい筋肉があった


なにこれ

すごい

え、夢の続き

なにこれ
ほしい


まだ夢の続きなのかな


すごい
理想の筋肉

大胸筋、腹直筋
外腹斜筋
するすると手を這わすと弾力も、形も最高

吸い付くような素敵な手触り

三角筋もステキ
上腕二頭筋に上腕三頭筋

かっこいい腕橈骨筋に尺側手根伸筋
あ、橈側手根屈筋もいい形

なにこれ


「 ん、 」


ぴくりと大胸筋がうごいた

そしてふるふると長いまつげが震えた


筋肉も綺麗だけど顔もすごく綺麗


男の子なのに
綺麗って言葉が似合うような容姿をしていた


伏せられたまつ毛がゆっくりと上がって

ぼんやりと
これもまた綺麗な色の瞳に私がうつる



「ん、ごう…?」



ごう?

なに、名前?


ちがう
わたしはごうじゃない



『 瞳ですけど 』



「 …ぁあ、わるい 」


そういってしばらくぼーっと私を見つめた彼


ぼーっとしてるだけなのに

寝起きで乱れている前髪も


その表情も

そして何より
少し起き上がって浮き出た腹直筋が

とてもきれいだった



じゃなくて



あれ、この人



「『 …誰? 』」






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