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小説
14


『 あ、宮地さん 』


「あ、瞳じゃん」

バイトに向かう途中なぜか瞳と会った


「 どうした?お前んちこっちじゃねえだろ? 」


『 従兄弟の家にいってたんです 』


「そうか、つか何持ってんの?」

瞳の手にはかわいいとはいい難いぬいぐるみがあった


『ああ、従兄弟にもらったんです、なんか私の今日のラッキーアイテムらしくて』


ラッキーアイテムという言葉をなかなか久々に聞いた気がした
そしてその言葉でおは朝信者の変人の後輩を思い出した


「 俺の後輩にもラッキーアイテム持ち歩いてるやついたわ、しかもそいつのバスケの腕は奇跡並だし無駄にじゃんけん強えわでおは朝否定できないんだよな」


『 私の従兄弟もバスケやってるんですよ、バスケやってる人にはおは朝好きが多いんですかね? 』


いや、おれもバスケはやってたがおは朝信者なんてあいつしか見た事が無い


「 つか、それなんのキャラクターだよ、ぶさいくだな 」


さっきから目のはしにチラつくブサイクなぬいぐるみ
もっとかわいいものはなかったのか



『わたしも同じこと言って「ゆるキャラなのだよ」って言われました』


ゆるキャラ?

それよりなにかもっと気になる単語が聞こえた聞こえた気がした


「瞳、今なんていった?」


『ゆるキャラ?』


首をかしげてそういった瞳はやっぱり推しメンに似てる
やべえ、こいつかわいい
じゃなくて

「そのあと」


後?とすこし考えてから


『なのだよ?』


その言葉を聞いた瞬間
おは朝信者で変な語尾のくっそ生意気な後輩が頭にうかぶ


「お前の従兄弟って何高?」


『えーと、たしか』


そんな偶然あるはずない
まじ、ふざけてる
轢き殺す


彼女の口から出てくるであろう

秀徳という答えを聞きたいような聞きたくないような

その時だ


「瞳、忘れ物なのだよ」


ぽん、と彼女の肩の上に置かれたテーピングがされた手にあの声、
そして なのだよ という語尾

『あ、真ちゃん!今真ちゃんの話ししてたんだよ』


さらになんだよ真ちゃんって、恐る恐る振り返ると
そこには予想外通りの人物にプラス黒髪のやかましい後輩までいた


「忘れ物をするなんて人事を尽くしてないからだ」


『ごめんね、わざわざ届けてくれてありがとう』


「 って宮地さんじゃないっスか!久しぶりですねー!なんでいるんスか! 」

真っ先におれに気付いたのはやかましい方の後輩
こいつ、相変わらずのやかましさにこの笑顔
まじ刺してえ


「宮地さん」


『え?』


「つか、真ちゃんのいとこさん?宮地さんの彼女とか!?」


『 えっと、知り合い? 』


完全についていけてない
俺か緑間、どちらかに問いかけた瞳


「 部活の後輩だ 」


「 先輩なのだよ、後高尾だ 」


「こいつは同じバイト先の後輩?」

高尾の瞳に失礼な勘違いを正しておく


『真ちゃんとは従兄弟で大塚瞳です。よろしくね、高尾くん』


高尾に向かって手を差し出す瞳

高尾はすっげえ笑顔で握手をかわした

「おー、よろしくね!宮地さん怖いっしょ!おれも宮地さんの後輩経験あるからさ」


「高尾、轢かれてえの?」


『 宮地さん、怖くないですよ? 』


「え!流石の宮地さんも女の子には優しいの?」


「 殺す、お前殺すわ 」

つかこいつ厳しくしなくったって出来るし
こいつらと違って生意気じゃねえし


「久々なのに怖えー!」


『あ、そういうのはちょっと怖いです』



「 あ?まじで? 」


まじか
女の子にはこれが怖いのか

気をつけてやるか




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