小説
06
久しぶりに見た宮地さんは
マスクをしてごほごほと咳をしていた
「おう、久しぶりだな」
『久しぶりです』
宮地さんのテストはもう終わったのだろうか
マスクをずらしてタバコを吸い始めた宮地さん
「俺がいない間何も問題なかった?」
『 はい、特に 』
えらいえらい、といいながらまたごほごほと咳をする
「 あ?どうした 」
『お風邪ですか?』
「 あー、べつにたいした事ねえよ 」
たいした事ねえ、というわりにはだるん、と机に寄りかかってるからだいぶ辛そうだし
咳とかでてるのにタバコを吸ってるからむせてる
かなり体調悪いんだろうな
『休めば良かったじゃないですか』
バイトだもん、
バイトだったら宮地さんみたいに友達が多い人は代勤とか頼めるはず
「あ?平気だって言ってんだろ、殴るぞ」
『 殴られるのはいやです 』
「いや、そこは冗談だろ」
またげほげほと咳ごむ
すると、いきなり宮地さんの手が近づいてきて、ピトっと目を覆われ目隠しをされた
あ、手が熱い
熱あるんじゃないかな
「お前すげえ心配そうな目で見んのな、埋めていい?」
『今埋められてる気分です』
真っ暗なんですもん、
一歩下がると少しぼやけた視界で宮地さんが笑っている事がわかる
「来月ライブあってよ、今月はテストで休んじまったからこれ以上休むわけにはいかねえんだ」
ライブ?
バンドが何か、すきなんだろうか
『熱、無理しないで下さいね』
「おう」
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