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小説
♭01



「あ、バニラの匂いがした」

常日頃から超がつくほどマイペース
自分が興味ない事に対してはとことん無頓着な男子高校生、小川平介が突然声をあげた

「は?バニラ?するか、そんな匂い?」


「確かにした!」


そんな匂いしたのか?と
平介と一緒にいる佐藤と鈴木がふんふんと鼻を動かすもそんな匂いはしなかった


「やっぱりしない」


「えー、確かにしたと思ったのに。気のせいだったのかね?」


もう一度、平介は鼻をふんふんと動かすがバニラの甘い匂いは消えてしまっていた


「気のせいだ」

鈴木にそう決めつけられてしまいバニラの匂いは気のせいだったということにまとまった


平介もそこまで深く考えて発言したわけではなかった為
まー、いっか で終わらせ
今日帰ったらバニラビーンズを入りのカスタードクリームをたっぷり入れたシュークリームでも作ろうかと頭の中で考えた



「でもバニラビーンズないからバニラエッセンスで代用かな」


「なになに?なんか甘いものの話?」


「作るんなら持ってこいよ」


「あ、理科室にクッキー忘れた」

「なんだよ、持ってきてたのかよ」


「昨日焼いたやつだけどね、とってくる」



しかし
授業開始のチャイムがなる


「あ、もう他のクラスの授業始まってるね」


「次の休み時間とってこい」


「えー」









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