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小説
017


調査はしているものの一行に新しい情報は出てこない

山崎さんが張り込みをしていても犯人は現れない

調査を始める前の現場は江戸大橋周辺だったものの近頃は場所が定まらなくなった


俺らの調査をあざ笑うように被害者は増えていく


「 くそ 」


更にクマの濃くなった土方さんが不満をもらす


『 わかりました、 』


「 あ? 」


『俺が囮をやりましょう』


「は?」

そういうと土方さんは一瞬目線をあげ、俺をみる

『 最初から気づいてました 』


「 何がだ 」

『本当はちゃっちゃと調査して捕まえるつもりだったがやむ終えんですね。これ以上被害者を出すわけにはいきませんし』


最初、この事件をあのメンツに振られたときから気づいていた


『俺が囮になればさっさと捕まえられるでしょ?土方さんも元からそのつもりだったんですよね』


「 チッ、勘のいいガキだ 」


『さすが鬼の副長ですね』


「俺もこの手は使いたくなかったんだよ、女子供を危険な目に合わせたくはねえしな」


『お気遣いなく、俺は女子供じゃなくて隊士なんで』


土方さんは本当にこの手は使いたくなかったんだと思う
だから俺がいうまで絶対に土方さんからは言ってこなかっただろう


「やっぱりやめんぞ、こんな計画。俺も疲れてるみてえだ、」


『 なんでですか、おれがいいって言ってるからいいじゃないですか 』


「やめっつったらやめだ」


『大丈夫です。それに、もし何かあったら土方さんが助けてくれるでしょ?』


土方さんは舌打ちをして立ち上がり携帯をとって電話をはじめた



「よし、今日の夜から決行すんぞ」

電話を切ってそう言う土方さんの目を見て頷いた





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