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小説
013


くそ、逃げられた


ガラリと瓦礫から体を起こす


「 てめえここに居たのか!さっさと逃げるぞ 」

『土方さん?負けたのか?』


「 んなわけねーだろ 」

よく見ると土方さんも血まみれだ


「てっぺん打ち取ったらあいつらヤケ起こしてそこら中の爆弾起動しやがった、ここ永くえ、急ぐぞ」


そう言われ、刀を背負って出口に向う


やべえ、血ながしすぎた


「血まみれじゃねえか」


『仕留め損ねた』


「気にすんな、頭はとった」


チッ、と舌打ちをした

前をはしる土方さんからも血がぼとぼと流れてて俺の目は土方さんの血に釘付けだった


「おい、てめえ大丈夫なのか、随分怪我してるみてえだが」


『気にするな、土方さんもだいぶ血が流れてるぞ』


俺の怪我はたいした事ない
というかだいぶ傷はふさがってきた


「俺のはどーってことねえよ」


そしてそのまま走るのをやめ
血がしたたった手が伸びてきた


「顔色わりいぞ」

血がうまそう
ぺろり、としたなめずりをしてしまう


以前血をながしすぎた時に
吸血衝動を感じたこたがあった
ただ、ここまで強い吸血衝動も違ううまそうだと思ったことも初めてで戸惑った


『触るな』

バシッと土方さんの手を払う


「ん、だよ」

カチ、とタバコに火を着けた土方さん


土方さんから目をそらす


やばい、血を舐めたい
土方さんの血を


「どうした、走れるか」


『…いける』


ここもいつ崩れるかわからない

とりあえず外にでなければと走る土方さん

俺はその土方さんの血を追いかけた


ようやく外に出て


土方さんから離れる


「 お前さっきからおかしいぞ 」


『 …血、 』


「 は? 」


『土方さん、血 』

だめだ、

わかってはいるのに
手が土方さんに伸びていく


「お、おい」


『 ……』

だめだ
だめだ



ガンッ!


「 あ? 」


ガツン、ガンッ


『だあー、くそっ』

壁に頭突きをする

しっかりしろ、俺



「な、なにやってんだよ」


『くそっ 』


「おちつけ! 」


後ろから身体を抑えられた


身体を取り押さえられる感覚に身体が固まった


『…くそ、』


頭からも血が流れ

流石に血を流しすぎたか
意識が薄れていく




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あきゅろす。
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