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小説
07


翌日は熱下がらす1日中寝ていた



ぱーちん、どうなったんだろ


『けんにぃー?』


部屋で大きな声でけんにいを呼んでもいなくて



誰かに会いたくて毛布にくるまったまま
待合室に顔を出す


『けんにいはー?』


「しらねえー。熱下がったの?」


『下がってない』


エミお姉ちゃんに言われて
そのまま待合室に腰を下ろした


「そんな顔でそんなとこいると食われっぞ」



『瞳はおとこのこだから平気なんですー』



「世の中にはモノ好きがいんだよ。ほら、部屋もどんな」



『やだぁー!ひとりでねてるのあきたー!』



と、毛布にくるまって待合室の椅子に寝そべった


「瞳坊、客が来るまでだよ」


『おーなー、ありがと』



「薬は?のんだ?」


『のんでない』


「ケン坊どこいってんだろうね、ガキほっぽり出して」



『けんにいどこいってんだろうね』


昨日の夜は1回帰ってきてくれたのに

瞳が寝ている間にまたどっか行ってしまった様だった



『瞳のこと、ほっとくこと無かったのに』


今まで、こんなずっとほっとかれる事は無かった気がする


けんにい、何やってんだろ、本当は


昨日のいやな夢のせいかもしれない
ゾクゾクと背筋に嫌な感じかずっとしていた



「瞳坊、これ飲んどきな」



『なに?』


「しょうが湯。薬飲まないならせめてこれぐらい飲んどきな」


『エミお姉ちゃんありがと』



と、それを受け取ってゆっくりと飲む


あったまる、


女の人が多い場所だから
身体をあっためたり、女の人が重要な物も沢山置いてあった

生理用品も、生理のお薬も



「つかすげえぶすになってっけど。ずっと泣いてんの?」


『泣いてない』


「じゃあそのブスなに?冷やしとけば?」


と、目に当てるようにタオルに包んだ保冷剤もくれた


『ぶすじゃないけどありがと』


しょうが湯の効果か
身体がポカポカして
ようやくまた眠れそうになってきた


「あ、こら、ここで寝んな」


と、言われたけど


無視して眠りについた




◇◇




『まま、…ま、ま、ぁ』



がばっと、起き上がると
部屋は真っ暗だった

でも、ここが自分の部屋だと言うことがなんとなくわかる

匂いも、けんにいの部屋と違うし
音も、隣がけんにいの部屋だから
あんまりえっちな音はここまで届かない




真っ暗だった


暗闇の中、
感覚を頼りに電気をつけた


『あたまがいたい、』


動いたせいかちょっと頭が痛くなる

多分、熱はもう下がったけど
なんも食べてないし
病み上がりでフラフラした



いっぱい汗かいてるからシャワー浴びよ、と

すぐに服を脱いでシャワーをあびた



頭が痛いから
シャワー浴びるのにも少し時間がかかってしまった

タオルだけ巻いてシャワールームを出ると



『けんにい。おかえり』

いつの間にか帰ってきていたけんにいが部屋にいて
ベッドで待っていた


「熱は?」



『下がったけど』

と、そのままけんにいの隣に腰を下ろした


「早く服着ろよ。冷えるぞ」


『うん』


たしかに、と
けんにいに背中を向けて服を着た


「夢見たか?」



『ゆめー?覚えてないなあ』


「そうか。ならいい」


服を着てから
再びけんにいの隣に腰を下ろすと
頭を拭いてくれる


『ねえ、なんかあった?』


「…なんもねえよ」



『じゃあなんで怒ってんの』



「…マイキーだよ」



『けんかしたの?』



「あぁ、もう東卍は終わりだ」


『なんで?』



「やってられねえんだよ、マイキーとは」


『なにがあったの?』



「あのわからずや…とにかくマイキーとはもう縁を切る」





と、ますますけんにいは不機嫌になった


これはいま何言っても無駄だった


明日あたりマイキーくんと話に行こう





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あきゅろす。
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