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小説
No.01


今日も働いた
そして飲まされた


仕事の後の飲み会で周囲の悪のりで散々飲まされ
明日も仕事の為フラフラと1人先に帰宅した
これ明日二日酔いじゃない?
みんな容赦無いんだから…


女性向けのファッションを取り扱っている店の為
仕事仲間はほぼ女性だった
彼氏もいない、特に欲しいとも思わない私はようやく始めた一人暮らしの生活を楽しんでいた

お金を貯めて借りた部屋は
9畳の1K
バストイレ別
オートロック
駅近
そして都内
マンションの7階
家賃の割にはとてもいい部屋だった


インテリアもじぶんの好きなものを選んで
カーテンだけは外から男性か女性どちらが住んでいるかわからないように黒いもの

仕事環境もよく
まぁまぁ充実した毎日だったから
このままでいいと思っていた


こんな平凡が崩れるなんて簡単なことだった



お酒で少しフラフラしながらも
コンビニに寄って
水と温かいココアと明日の朝ごはんのために、少し食べるものを買った

ココアを間違えて2本買ってしまった辺りは本当に酔っていたんだと思う

駅前のコンビニから私のマンションはすぐでこんな遅い時間でも帰るのがらくだった

マンションについてふと何かが目の端にちらついたと思って視線を動かすと
マンションの前の公園のベンチに人影が見えた

ベンチに寝転がり
目を腕で覆っていた


ホームレスかな
まだまだ寒い春先だ
こんな時期に外に寝るなんて大変だなぁ


普段なら絶対近付かないけど
酔いが手伝い
興味半分で近づいて行く


顔はよく見えないけど
多分まだまだ若い
私と同じか少し下か

バッグを枕にしてるけど
このバッグよく見たら有名なブランドで
服もおしゃれ出し高そうな服着てる

ホームレスでは無いようだ
となると、酔っぱらいかな?


こんな時期に外で寝ると風邪を引くだろう
しかし起こす勇気もなく
そのままマンションに向かおうとすると


ぴくり、と彼の腕が動き
顔が見えたかと思うとゆっくりと目が開いた


「…あーん?」


そのまま体を起こす彼


きれいな顔してるな…じゃなくて


完全に逃げるタイミング逃した


ガシッ

『ひっ…!?』


いきなり腕を捕まれ
驚きで変な声がでた



「……誰だ、お前?」




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あきゅろす。
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