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WaxFlower

「……って今何時?」

「……11時。」

「……はぁっ?!」




 第三章








「………なんで一緒に寝てるんですか。」

「此処俺の部屋。」

「見れば分かります。」

「………昨日お前が気ぃ失って、まぁ、せっかくだから一緒に寝てみようかな、と。」

 俺起きてすっげびっくりしたんだけど。

「別にいいじゃねぇか、寝るぐらい。」

「………別にそこまで気にしてませんけど、………。」

 だって、だって昨日こいつ俺に……!

 言いたくないし思い出したくもないけどっ、あれはその、えと、………

「?……顔、赤くね?」

「…気のせいです。」


 くそ、調子狂う〜〜〜〜!!!
 なんでお前んなに淡々としてんだよ!!

 高瀬から告白したってのに、俺ばっかなんか意識してるみたいじゃん……。




「学校、どうしよ………。」

「もう連絡入れといた。」

「早いですね……。なんて入れたんですか?」

「無難に風邪。ちなみに俺はお前の看病。」

「無難と言えば無難……?」

 ってかあんた何自分のポイント上げるような理由で……。看病なんかしたことなさそうなくせに。

「おら、もう身体平気だろ。起きるぞ。」


 俺と高瀬は起きてリビングに向かった。時計を見ると確かに11時を過ぎており、学校はとっくに始まっている。

 俺、一応優等生キャラ?でいこうと思ってたのに早速サボりみたいです。

 先にシャワーを貸してもらい浴びた。そういえば昨日シャワー浴びなかったな、と身体を見渡せば何だか綺麗になっていることに気付き、きっと高瀬がやってくれたんだなと自己完結。

 腹も下してないし。

 でもめちゃくちゃ複雑な気分。


――ガチャ

「あがりました、次どうぞ。」

「あぁ。」

 濡れた髪をタオルで拭きながらリビングに行くと高瀬はソファーに座り携帯を弄っていた。

 パタンと携帯を閉じて俺と向き合う。

「?!おま、っ」

「………?」

 高瀬がいきなり慌てる。なんか可笑しいとこあるか?…………ない、はずだけど。

「どうかしましたか?」

「………………服。」

「は?」

「服を着ろっ!!風邪ひくっ!!」

「…うわっ?!あの、これ」

「いいから着てろっ!!」

 そういって高瀬は風呂に行ってしまった。手渡されたのは何だか俺にはでかそうな黒いシャツ。

 まぁ確かに下しか履いてない状態で出てきたけど、………風邪ひくか?

 いつも風呂あがりは部屋に行ってから上着るからなぁ………。

 ってか高瀬なんか慌てたり怒ったりで忙しい奴だな。今まで話したことなかったからちょっと知れたようで嬉しいような………。


「(?!やべっ、背中見られてないよな)」

 俺は慌ててシャツを羽織り風呂場を見る。ドアはしっかり閉じられ、中からシャワーの音がした。

 ホッと息を吐き安堵する。

 背中と言っても脇腹の側っていうか腰の辺りだけど、そこを見られなくてよかった。


「……12時か。」

 そういえば昨日の夜から食べていない。食べなくても大丈夫かとは思うけど、何もすることがなくて暇を持て余すのもなんだから作るか。

 俺はシャツのボタンを閉め、大きいために袖を何度も折ってキッチンに入った。さて、朝食になるのか昼食になるのか。

 フライパンを取り出し、冷蔵庫を開けた。





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