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If memory serves me

 どうやら月棟の3階からは赤絨毯が敷いてあるらしい。廊下の所々には高そうな絵画や壷、観葉植物が飾ってある。

 金のかけすぎだろ。教室棟はまだ普通の校舎だったが、これはちょっと……。

 うーん。


 目の前の生徒会室ってプレートは本物か。

 俺はドアをノックした。

「し、つれいします……。」


 中に人は居なかった。
 呼び出した張本人がいないって何さ。

 やっぱりここにも豪華な絵画や壷があった。机には艶があって、ソファーや椅子は座り心地が良さそうだった。

 もしかしたら相模の理事長室より豪華かもしれない。

 理事長室はここまできらびやかじゃなかったし、割合がらんとしていた。相模はそんなに物を置かない人だから…。

 ある机には資料が散乱し、ノートパソコンはついたまま、コーヒーカップにはまだ中身が入っていて温いくらいだった。

 この机の人はきっとまだ近くにいるのだろう。

 他の机はここまで汚くなかったから。



 って、何やってんだ俺。
 仕事じゃないのに分析してどうすんだよ。
  手に持ってみた温いコーヒーカップを元の位置に置いたら、カタンと音をたててしまった。



「誰だ。」

 いたのか。

「あの、編入生の霧島、ですけど、」

「あぁ、あの外部生の。俺が呼んだんだっけ。」


 オイ。


「?!」

「…なんだ、んな面(ツラ)して。ってあんまし顔見えねぇけど。」

 奥に部屋があったらしい。そこのドアが開いて中から人が出てきた。

 上半身裸で。


 何で上着てねぇんだよ。


 生徒会会長 佐々木 圭(ササキ ケイ)

 いかにも不良と見える金髪をしていて、前髪を右に分けていた。両耳にはピアスを数個ずつ。目は…………

「………?!」

 俺は一瞬目を見開いた。

 入学式で彼を見た。けれど回りの生徒が立っていたし、興味もなかったからよく見ていなかった。これほど近くで彼を見たことはない。当たり前だ。だから眼の色なんて見ていなかった。

 彼の眼は赤かった。




 赤

 紅い












 アカ



「くっ……?!」

 俺は無意識に会長の背後に回り、首に腕を巻き付け指先を喉に向けていた。今の俺には紅い眼しか、見えていなかった。

「……お前は何者だ?」







 Side.K

 圭はその声に背筋がゾクリとした。刀を喉元に突き付けられたような、冷たい氷に包まれたような、


 威圧



「は?!てめぇこそ何すんだ…、俺が何者かだと佐々木 圭に決まってんじゃねぇか。」

 編入生、…霧島っつったか?
 何なんだ、こいつは。

 人の顔見た途端首に手を切先突き付けたみてぇに……


「…んなことを聞いているんじゃねぇよ。」

 口調が変わった。こっちが地なのか。
 見た目根暗のくせにでっけぇ猫飼ってやがる。

「…じゃあ何だ。」

「どこの所属かって聞いてんだよ。」

「ッ、!!」

 またこいつから発せられる気が上がった気がする。重く、立っているはずなのに崩れ落ちそうな……。


 所属?
 何だよそれ。


「……赤い、眼。ナンバーは、…」


 ……赤い眼?
 こいつ気付いてねぇのか?


「俺の眼は赤じゃねぇ。コンタクト、元の色は黒だ。」

「……コンタクト」

「そうだ、当たり前だろ日本人なんだから。誰と勘違いしてるかしらないが、…っておい!!」

 俺がコンタクトだとばらすとこいつは力が抜けたのか俺の拘束を解き倒れた。

「どうした、おい!!」

 霧島はぐったりとしていて俺の声が届いていないようだ。気ぃ失ってやがる。

 




 ったく、何だっつーんだ。くそっ!!








 

[*白][黒#]

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あきゅろす。
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