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「返せっ!!」

 神波に、来て早々バレてしまったと報告されては堪らない。俺は必死だった。

「あぁ、流に知らされたら大変だもんね。いいよ?別に。」

「じゃあっ、………?!」

「ちゃんと、お願い、しなきゃ……ね?」

 いつの間にか、着ていたシャツの釦はすべて外されはだけていた。相模の手が胸に触れ、その手の冷たさに体を震わせる。キュッと乳首を摘まれ声をあげてしまった。

「ぁ…、……あ…っ」

「ほら、いいのか?報告しても………」

 相模の舌が首をつたい、鎖骨をキツク吸われた。きっと紅い跡が残ってしまった。言葉にならない声をあげ、恐怖に体が震えてしまう。

 破れば俺は強制的に神波の所に送られるだろう。恐らく俺は神波から一生逃げられなくなる。先にどちらが死ぬか、そんなレベルになるな、と俺は考えた。

 神波から逃げるためにここに来たのに。…隠し通せばこのまま残れる。

 こんな自分に吐き気がした。


「あっ、……言うから、んぅ…」

 口封じ、かな。俺の体一つでバラさないでくれる。


 こんな、気持ち悪い姿……… 神波よりは、



 まし。








「……お願い、します、か…んなには【コンコン…】


 俺が相模に頼もうとしていたら、不意にドアがノックされた。

 ………なんか良かったんだか悪いんだか。


 チッ、と相模が舌打ちした。

「ZERO、服を整えなさい。」

「あ、はい……。」

 相模が俺の腕を拘束していたネクタイを外してくれたので、慌ててシャツのボタンを留めた。相模の膝から退き、眼鏡をつける。

 俺の身なりが整ったのを見てから相模はノックしてきた人を中に入れた。

「悪かったね、待たせてしまって……。」

「いえ。それで用とは……?」

「あぁ、今年から編入する霧島 那津 君だ。彼は同室の高瀬 皐(タカセ サツキ)君。同室なんだから、早く会わせようかと思ってね。」

 高瀬 皐と呼ばれた人がチラリと俺を見た。俺は相模が神波に報告しないかどうかで頭がごちゃごちゃしていてそれどころじゃなかった。

「それじゃ、高瀬君。霧島君をよろしく頼むよ。」

「わかりました。行くぞ、霧島。」

「あ、はい。………うわっ?!」

 高瀬君について理事長室を出ようとしたら急に相模に腕を掴まれた。

「な、なんでしょうか……?」

 

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あきゅろす。
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